2004 Fiscal Year Annual Research Report
1-ブロモプロパンによる新しい型の神経障害と感受性個体差に関する調査研究
Project/Area Number |
14406015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80281070)
柴田 英治 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90206128)
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Keywords | 1-ブロモプロパン / フロン代替溶剤 / 神経毒性 / 生殖毒性 / 末梢神経伝導速度 / 遠位潜時 / 時間荷重平均 / 曝露濃度 |
Research Abstract |
前回、中国塩城市の1-ブロモプロパン工場調査を行った結果、10ppm以下の曝露濃度で、下肢TibialNerve遠位潜時と運動神経伝導速度には変化がなかった。今回は、曝露濃度のより高いと考えられる工場を対象に調査を行った。中国宜興市のブロモプロパン工場労働者の健康調査を行い、1-ブロモプロパン曝露のヒトに対する影響を調べ、結果を検討した。1-ブロモプロパン製造に従事する40人の女性労働者(Exposure)、および、対照群(Control)として性と年齢をマッチさせた非曝露工場労働者40人の健康調査(血液検査、末梢神経神経伝導速度の測定)を行った。また、パッシブサンプラーを用いて個人曝露量の評価を行った。得られた血液検査値、神経伝導速度測定値の群間の比較を、対応のあるt-検定を用いて行った。 曝露群の1-ブロモプロパン曝露濃度は8時間時間荷重平均値で15.3±16.2ppm(最大値73.7最小値0.65)であった。(1)末梢神経伝導速度の結果 曝露群は非曝露群に対し、遠位潜時とF-latencyでは有意に高い値を示し、運動神経伝導速度では有意に低い値を示した。(2)血液検査値の結果 曝露群は非曝露群に対し、総蛋白、GOT、LDH、TSH、FSH、フェリチンでは有意に高い値を示し、クレアチニン、Fe、VB1、エストラジオールでは有意に低い値を示した。上記より、1-ブロモプロパンが50ppm以下の濃度で神経障害だけでなく、代謝面での変化も生じることが示唆された。
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Research Products
(6 results)