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2003 Fiscal Year Annual Research Report

原始キリスト教におけるヘレニスト・ユダヤ人キリスト教の研究

Research Project

Project/Area Number 14510034
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

小河 陽  立教大学, 文学部, 教授 (70214012)

Keywords新約聖書学 / 原始キリスト教史 / ヘレニスト / 使徒言行録 / ユダヤ人キリスト教 / 古代キリスト教
Research Abstract

1.原始キリスト教の最初期において「ユダヤ人キリスト教」と呼ばれるものの実態は資料的にさほど確固たる根拠に基づいていない。明確な輪郭と内容を持った独自の神学は、主として2〜3世紀の資料で確認できるものを伝承史上の連続性を前提とした上で、仮説的に再構成されたものである。エデッサのユダヤ人キリスト教は新しい動きとして捉える見方を探求する必要がある。
2.同様の観点は「ヘレニスト・キリスト教」についても指摘できる。ヘレニストを担い手とする独自の神学として想定されるものはユダヤ教律法評価をめぐる2つの立場の中間項として要請されるものという観念的な歴史の再構成に負う側面を持っており、資料的な裏づけに欠く。ヘレニストの独自性として、律法批判的な態度より、神殿批判的な態度に注目すべきである。
3.紀元70年以前のユダヤ教の多様性を背景にする時、原始キリスト教運動においてヘレニスト・グループがユダヤ教側からの迫害の対象となったという仮説は、使徒言行録以外の資料からも支持されない。
4.上に挙げた諸点は、パウロによる異邦人伝道の先駆的活動としてのヘレニストの異邦人宣教という仮説に根拠ある疑問を投げかける。この詳細をあらためて資料的に確認する必要がある。

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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