2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14510071
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
浜下 昌宏 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (60208577)
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Keywords | 亀井茲明 / 津和野 / 西周 / 森鴎外 / 日本近代美学 / ドイツ学 / プロシャ / ベルリン大学 |
Research Abstract |
平成15年度中に行った調査等の作業と成果は以下の通りである。 1、津和野における調査:(1)平成15年7月26日(土)-28日(月):木下直之氏(東京大学文学部)を研究代表者とする亀井茲明研究会グループと合同で、亀井茲基氏の案内で亀井温故館において所蔵品および資料調査。松島弘氏(郷土史家、前津和野高校校長)と会見。郷土館、町立図書館(旧養老館)、森鴎外記念館、西周・森鴎外旧居、などを訪問。(2)11月21日(金)-22日(土):津和野町民センターにて西周シンポジウム(島根県立大学主催)に出席。(3)12月20日(土)-22日(月):上記木下氏のグループと共同で亀井茲基氏の案内で亀井温故館において染織コレクションを中心とする資料調査。町立図書館、亀井家墓地などを訪問。 2、東京の渋谷区立松涛美術館および国会図書館憲政史料室における調査:(4)平成16年2月15日(日):松涛美術館において、過去2回開かれた亀井コレクション展の図録閲覧。(5)2月16日(月):国会図書館憲政史料室において西周文書の閲覧。 3、ヨーロッパにおける亀井茲明の足跡の追跡調査:(6)平成15年8月27日(水)-9月16日(火):ベルリン、ドレスデン、ミュンヘン、トリノ、フィレンツエ、ローマ、パリにおいて、亀井に関する資料調査・収集。森鴎外記念館(ベルリン)、ベルリン・フンボルト大学図書館、ミュンヘン大学、バイエルン州立図書館、等にて調査。ミュンヘンにてラオク博士と会見。 以上の調査の結果、次の失うな認識と成果を得た。(1)亀井茲明の精神風土および人的支援ネットワークの絆として津和野の歴史・文化・人脈についての研究をさらに進める必要を実感。(2)とりわけ、亀井茲明と西周・森鴎外との関係は重要であり、この点についての研究成果の一部は論文「津和野からの遊学者たち」として公表。(3)亀井の美学・美術上の関心が当時のドイツ学に影響されていることを再確認。ドイツの中でもとくにプロシャ、ベルリン大学における学問状況が彼の研究を導いている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 浜下 昌宏: "実存範疇としての「戯作的」-ある二葉亭四迷論-"神戸女学院大学論集. 50・1. 70-83 (2003)
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[Publications] 浜下 昌宏: "津和野からの遊学者-西周・森鴎外・亀井茲明-"美術フォーラム21. 9. 49-55 (2004)
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[Publications] 浜下 昌宏: "滋賀重昂『日本風景論』にみる日本的崇高の可能性"文芸学研究. 7. 1-21 (2004)