2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長岡 龍作 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (70189108)
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Keywords | 舎利 / 舎利塔 / 舎利容器 / 仏像 / 台座 / 荘厳 / 新羅 / 百済 |
Research Abstract |
本年度は、韓国所在の作例について調査をおこなった。調査作品は以下の通りである。 1.塔・舎利容器の調査 1)松林寺五重塔、仏国寺舎利塔・多宝塔、芬皇寺石磚塔 2)韓国感恩寺東三層石塔(統一新羅時代・神文王二年(682)造立)出土舎利容器、同西三層石塔出土舎利容器、益山王宮里五層石塔出土瑠璃瓶 2.墳墓の調査 1)慶州掛陵 2)高句麗長川1号墳(国立中央博物館のレプリカによる) 3.仏像の調査 1)百済地域:礼山花田里四面仏、瑞山磨崖仏、泰安磨崖仏 2)新羅地域:軍威石窟、石窟庵、慶州南山塔谷磨崖彫像群 このうち、韓国感恩寺東三層石塔出土舎利容器は、金銅製舎利函の内部に須弥壇と天蓋を伴った舎利容器が納められていた。舎利函の四面には天王像があらわされ、また函内の舎利容器の須弥壇には、蓮華座・水瓶の上に据えられた蓮花上の水晶珠とその周囲に四天王、比丘が据えられている。内部と外部の二組の四天王像には邪鬼の有無という違いがあり、これらは舎利をとりまく世界観を反映した表現と見られ、舎利荘厳を考える上で重要な素材であることに想到した。
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