2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横澤 一彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (20311649)
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Keywords | ポスト注意 / 変化の見落とし / 負のプライミング / 次元加重効果 / 認知心理学 |
Research Abstract |
ポスト注意の視覚過程が、促進、抑制、干渉などに分類して検討した。変化の見落とし、ポップアウト・プライミング、次元加重効果、負のプライミングなど様々な注意現象に関する実験研究を行った。 情景の文脈は、オブジェクトの同定には影響を与えないとしても、同定されたオブジェクトが短期記憶に送られ、認知的操作の対象になる過程に対しては影響を与える可能性がある。この可能性を検証するために、変化の見落とし現象を用いた。変化の見落としは反復提示しても変化検出できない現象であり、情景刺激を用いて、注意や記憶の働きを検討できる。ここでは、情景を構成する個々のオブジェクトが有意味なつながりを持つ場合に、変化の検出が促進されるがどうかを調べた結果、情景の文脈が成立することで、変化の検出が促進されることが示唆された。文脈の効果は、オブジェクトの知覚の段階でなく、知覚されたオブジェクトを短期記憶で保持する段階、すなわちポスト注意過程で生じる可能性が示唆された。 特徴探索課題において、探索刺激の提示に先行して標的定義次元(色または線分方向)を知らせる音手がかりを与え、音手がかりの有効性や先行時間を操作することによって、探索促進の時間特性などを明らかにした。実験の結果、2.5秒以上前に手がかりが与えられなければ、十分な探索促進効果が得られなかった。これは、次元加重の比較的遅い時間特性を反映しているここで得られた促進効果は、従来数多く検討されてきた空間的な注意ではなく、視覚属性に対する注意であるしかも、促進効果を生み出すまでにゆっくりとした時間特性を持っていることが明らかになった。 このように、多くの現象を利用して、ポスト注意過程の時空間特性を実験的に明らかにした。今後は、さらに時空間特性の詳細な分析から、注意現象の体系化を進める。研究成果は国内外の学会で研究発表するとともに、国内外の学術誌に学術論文として掲載された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yokosawa, Mitsumatsu: "Does disruption of a scene impair change detection?"Journal of Vision. 3・1. 41-48 (2003)
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[Publications] Yokosawa, Kumada: "Voluntary Aspects of Attentional Control Setting for Detecting A Feature-Defined Target"Japanese Psychological Research. 45・1. 1-14 (2003)
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[Publications] Mitsumatsu, Yokosawa: "How does the internal detail of the object contribute to recognition?"Perception. 31・11. 1289-1298 (2002)
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[Publications] 尾関, 横澤: "変化検出課題における視覚的短期記憶の性質"心理学研究. 73・6. 464-471 (2003)
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[Publications] Nagai, Yokosawa: "Negative priming and stimulusfamiliarity : What causes opposite results?"Memory & Cognition. (採録決定済).
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[Publications] Mitsumatsu, Yokosawa: "Efficient extrapolation of the view using the dynamic and predictive stimulus"Perception. (採録決定済).