2003 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害を伴う弱視児の社会的行動の自発性促進に関する行動分析的研究
Project/Area Number |
14510121
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 元繁 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (00114059)
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Keywords | 発達障害 / 弱視児 / 社会的行動 / 視覚的探索 / 動機づけ / 行動分析学 / コンピュータ |
Research Abstract |
通常学級に在籍し、発達障害と運動障害があり、弱視で左眼の左下の部位のみに視野が限られていると推定される小学5年女児に対して、彼女の極端に低い視覚的探索行動や他者への関わり等の会的行動の自発を促進することを目的とし、プリファレンスを初めとした各種アセスメントに基づく探索行動と社会性の育成プログラムの検討を行った。 残存視覚の活用と探索行動、マンド(要求言語)とタクト(記述言語)の自発を標的行動とし、その他のADL等の自発行動をプローブとする多層ベースラインデザインによる指導(検討)を行った。プリファレンスのチェックからアニメキャラクタ(ドラえもん)をタッチパネルディスプレイ上で自発的視覚及び指先での反応が求められる導入刺激とし、通常学級で用いられている補助教材に関連した提示刺激へと動機づけ効果と応答度の拡大を目指した。 前年度の検討で、画面上への視覚的探索と指先での応答が行われるほど対象児の行動レパートリーが確立されていないこと、この水準に比して刺激場面が複雑過ぎたこと等の反省がみられたため、パソコン上での動機づけに基づく、仲間モデル役の指導者を用いた機会利用型指導法を導入した結果、社会的行動に関するいくつかの標的行動の増大と般化が見られた。平成16年度に向けて、盲学校幼稚部・小学部での対象児間多層ベースラインデザインによる検討を進める予定である。
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