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2002 Fiscal Year Annual Research Report

素朴生物学と素朴心理学の境界領域における現象・特性についての幼児の理解

Research Project

Project/Area Number 14510124
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

稲垣 佳世子  千葉大学, 教育学部, 教授 (90090290)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 波多野 誼余夫  放送大学, 教養学部, 教授 (60049575)
Keywords素朴生物学 / 素朴心理学 / 身体的特性と心理的特性の区別 / 身体的特性 / 心理的特性 / 幼児の楽天主義 / 特性の変化
Research Abstract

素朴生物学と素朴心理学の境界領域にかかわる諸現象を幼児がいかに理解しているかを調べるために、本年度は、まず人間のもつさまざまな身体的特性と心理的特性を幼児がどのように区別しているのかを明らかにするための実験をおこなった。身体的特性、心理的特性として、遺伝的要素と経験的要素がともに少しずつかかわるものを用いた。身体的-気質的特性(例、近視傾向)、心理的-気質特性(例、こわがり)、身体的-能力特性(走るのが遅い)、心理的-能力特性(例、物覚えが悪い)を用い、幼稚園の5歳児59名に対して、個別面接により、これらの特性の将来にわたる修正可能性とその手段をたずねた。さらにこれらの特性の保持が生得的であることを示唆する文脈情報や経験によることを強調する文脈情報を与えることによって(ドミナントな因果性が変わることにより)特性の修正可能性が変化するか(何の文脈情報も与えない条件との間に差があるか)も検討した。
その結果次のことが明らかになった。
1.どの条件でも幼児は特性の将来にわたる修正は可能であるとの判断が強く、生得的ないし経験的文脈情報を与えることの効果はほとんど見られなかった。負の特性は将来好ましい方向に修正することができるという(楽天的な)信念が幼児では極めて強いことが示唆された。
2.ただし、幼児が身体的特性、心理的特性の修正可能性をともに認めるとしても、その修正の手段は異なるとし、修正の手段の観点から両特性を区別していた。
3.気質的特性と能力的特性の区別もできており、身体的-気質特性と心理的-気質特性、身体的-能力特性と心理的-能力特性の区別も、それぞれ修正の手段という観点から区別していた。
以上の結果から、幼児はどのようなものが心理的特性でどのようなものが身体的特性かについての直観をもっていることが強く示唆された。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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