2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510129
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川島 一夫 信州大学, 教育学部, 教授 (40135116)
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Keywords | 不登校 / 母親の態度 / 登校刺激 |
Research Abstract |
本年度においては、「不登校児への嫌悪刺激の検討」、「不登校児の登校までの行動分析」を通して、「母親からのアンケートについての尺度化」と慢性不登校期から準備期への移行における、「母親が登校刺激を与えることのできる目標行動の設定」を行った。特に不登枝児童における児童の嫌悪事態についての検討を行うことで、不登校児への登校刺激の中で、嫌悪感情を引き起こすものを解明し、母親が刺激として与えることのできる行動と、登校刺激を与えるための目標行動の設定を行った。ここでの「適切な登校刺激」とは単なる不登校児への働きかけでなく、登校拒否児が自らの判断で登校しようとする意思表示ができるような方向への働きかけである。それを明らかにするために、児童が登校への興味を持ち始めたり、登校への意欲を見せる「回復期」における児童の起床時から登校時間までに焦点を当て検討を行っている。 具体的には、以下の手続きをとっている。 (1)「親のアンケートから抽出されたデータの尺度化」として、母親のアンケートから得られたデータについての尺度化を行った。さらに得られた因子を基に、母親の不登校児への登校刺激に関するチェックリストを作成中である。 (2)「不登校児への嫌悪刺激の検討」として、登校行動に関連した対人関係についての「不登校児への嫌悪刺激の検討」を行うために、教師や大学院生を中心としたグループによる、討議が行われている。 (3)「母親が登校刺激を与えることのできる目標行動の設定」として、データが作成された。 そこで得られたデータを基礎として「母親が登校刺激を与えることのできる目標行動の設定」を母親に提示する予定である。また、登校への意思表示だけでなく登校するためには学校について不登校の兆候が見えた時に、どのような対応が適切であるかについても検討を行っている。
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