2005 Fiscal Year Annual Research Report
集団間援助・協力過程での相互作用展開:社会的認知過程の分析とその妥当性の検討
Project/Area Number |
14510131
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
唐沢 かおり 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (50249348)
|
Keywords | 集団間支援 / 内集団同一視 / ステレオタイプ / 仮想世界ゲーム |
Research Abstract |
平成17年度は下記の研究を実施した。 1.仮想世界ゲームを用いた集団内相互作用過程と共有認知過程の検討 仮想世界ゲームを用いて、集団内相互作用過程と共有認知との関係を検討するためのデータ収集を行い、昨年度収集したデータとあわせて、共有認知と集団間コミュニケーション、集団内行動規範認知、内集団同一視、他集団に対する支援意図、他者の意図の認知等の変数の関係を検討し、集団間援助過程にかかわる態度モデルを構築した。また、上記変数の時系列的変化を把握し、相互作用展開において社会的認知過程が果たす役割を検討した。その結果、内集団同一視と共有認知との間には、弱い正の相関が、また同一視とコミュニケーションの間には中程度の相関が認められることが示唆された。また、時系列分析からは同一視とコミュニケーションとの関係は相互影響的であることが示された。 2.集団間援助の規定要因となる基礎的な社会的認知過程の検討 性ステレオタイプを対象に、ステレオタイプ的判断特性を明らかにする調査的研究と、ステレオタイプ判断が適用される条件について検討する実験を行った。調査では女性科学者・技術者ステレオタイプの内容を検討することを通して、非伝統的集団(科学者・技術者)に所属するメンバーは、もともとの所属集団(女性)に対して期待される属性と、非伝統的集団に期待される属性の両者を保持することが要求されることを明らかにした。また、実験では、存在脅威を与える操作により、自尊心脅威を経験した男性参加者を対象に性ステレオタイプ活性を測定した。その結果、存在脅威によって、伝統的なステレオタイプ概念がより活性化することが示され、自尊心脅威がステレオタイプ的判断を促進する要因であることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
-
[Book] 社会心理学2005
Author(s)
唐沢かおり(編)
Total Pages
190
Publisher
朝倉書店
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より