学校組織における意思決定とリーダーシップの構造と機能に関する理論的・実証的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14510142
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 渕上 克義 岡山大学, 教育学研究科, 助教授 (20202294)
• Keywords: 学校組織 / リーダーシップ / 意思決定 / 管理職 / 協働 / コミュニケーション / 教育心理学 / 経営活動

Research Abstract

本年度は、以下の四つの目的に沿って、研究を行った。
まず第一に、岡山市内の中学校の教頭1名を対象として、週二回4ヶ月という長期間にわたり、朝8時から夕方5時まで、学校における教頭の日常活動を観察した。観察結果は、観察者のメモとICレコーダーによって記録した。さらにその教頭に面接を行い、中学校の管理職である教頭の学校組織における経営行動を明らかにした。研究成果については、今後関連学会(日本心理学会、日本教育心理学会等)において発表する予定である。
第二に、教師の学級経営に注目して、教師と生徒の信頼関係を促進するための一手段として、教師の自己開示に注目し、教師が意図的に自己開示することによる生徒への効果について実験的に検討した。
第三に、昨年実施した調査結果について、以下の各論文としてまとめた。(1)教師の協働的効力感と学校の職場風土の関係について、教師学研究にまとめた。(2)教師とスクールカウンセラーとの協働的関係については、調査の結果を対人社会心理学研究にまとめた。(3)教師の対人的葛藤に関わる調査結果については、岡山大学教育学部研究集録にまとめた。(4)上記の(1)から(3)までの各研究をつなげるための理論的な論考として、学校組織研究の最新の研究動向として、岡山大学教育学部研究集録にまとめた。
第四に、小学校、中学校、高等学校の現職教師を対象として、学校組織の意思決定に密接に関わる教師集団の職場風土と教師の集団効力感に関する調査を実施して、職場風土と教師集団の効力感に関する質問紙を開発した。

Research Products

• [Publications] 渕上克義, 西村一生: "教師効力感と形成要因及びバーンアウトとの関連に関する研究"教師学研究. 5号. (2004)
• [Publications] 渕上克義, 太田弘子: "学校組織における教師の対人葛藤の認知構造に関する実証的研究"岡山大学教育学部研究集録. 125号. 89-100 (2004)
• [Publications] 棚上奈緒, 渕上克義: "学校コンサルテーション場面における教師によるスクールカウンセラーの社会的努力認知に関する研究"対人社会心理学研究. 4号. (2004)
• [Publications] 渕上克義: "学校組織における意思決定の構造と機能に関する実証的研究(I)"岡山大学教育学部研究集録. 126号. (2004)
• [Publications] 渕上克義: "学校組織の心理学"東京:日本文化科学社. 145 (2004)