2002 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の日本語と英語の音韻識別能力の比較と英語の読み能力の発達に関する研究
Project/Area Number |
14510163
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
アレン玉井 光江 文京学院大学, 人間学部, 教授 (50188413)
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Keywords | Phonological awareness / language development / linguistic transfer |
Research Abstract |
研究目的-今年度は日本語と英語の音韻認識能力の関連性について重点的に研究した。仮説は「第一言語(日本語)における音韻識別能力が第二言語(英語)の音韻識別能力の発達に影響を及ぼし、この2つの力にはpositive transferが存在する」である。 研究方法-幼稚園年長児、および小学校1年生を対象に、6月から7月にかけて次の4種類のテストを実施した。テストは英語の音に関する知識(Alliteration Test, Rhyme Test, Phoneme Blending Test)、日本語の音に関する知識(最初のMoraテスト、最後のMoraテスト,Moraカウントテスト)、知能(幼児用ウェスウラー知能テストWPPSIの一部)、記億力(視覚記憶、聴覚記憶、数記億)を測るものである。この年齢に被験者を絞ったのはまだ公的に文字指導を受けておらず、かつそれぞれのテストを理解し答えることができる年齢だからである。英語、日本語テストを63名、および知能テストを25名が受けた。 研究結果-日本語と英語の音韻識別能力に何らかの関係があるのかを調べるため、日本語の音韻識別能力が英語の音韻識別能力に対して影響を及ぼすというモデルを構築し、参加者の数がまだ少ないのだが、structural equation modelingの使用を試みた。その結果、このモデルは自由度8でx^2係数が5.65、Bentler-Bonett Normed Index. 96,およびComparative Fit Index 1.0でありplausible modelということができた。日本語音韻識別能力から英語識別能力への標準偏回帰係数は37であった。 研究発表-以上の結果を平成14年12月16日より21日までシンガポールで行われた世界応用言語学会(AILA)において発表した。
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Research Products
(1 results)