2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510164
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
下條 英子 文京学院大学, 経営学部, 教授 (30231137)
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Keywords | 顔の表情認知 / 感情 / 再認 / 好感度 / ムード |
Research Abstract |
本研究の目的は、顔の表情認知(Happy/Sad/Neutral)が、それを見る側の感情や、好感度、認知にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることである。具体的な研究方法としては、まず、最初に(1)被験者のムードの状態を質間紙によって測定した。さらに、1ヶ月後に(2)顔の表情を3条件(a)Happy80% & Sad20%;(b)Sad80% & Happy20%;(c)Neutral80% & Happy or Sad20%)で呈示した。顔の表情を見た直後に、(3)被験者が、(1)と同じ質問紙にてムード状態を測定し、さらに、顔の表情の好感度と再認度を答えさせた。その結果、(a)Happy条件の顔の表情呈示後は、ポジティブなムードを有意に高め、ネガティブなムードを有意に減少させた。(b)Sad条件の顔の表情呈示後は、ネガティブなムードを有意に高め、ポジティブなムードを有意に減少させた。好感度の結果は、(a)のHappy条件、(c)Neutral条件、(b)Sad条件の順に高かった(p<.001)。再認度の結果は、(b)Sad条件、(a)のHappy条件、(c)Neutral条件の順に高かった。 本研究の結論としては、Happyな顔の表情呈示後は、ポジティブなムードを高め、ネガティブなムードが低くする。Sadな顔の表情呈示後は、ネガティブなムードを高め、ポジティブなムードを減少させる。したがって、好感度とポジティブなムードは、同じメンタルプロセスをもっていると思われるが、再認に関しては異なったプロセスを経ていると思われる。顔の表情認知が最もムードの自働活性化に影響を及ぼす刺激であるという仮説が検証されたといえる。
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