2002 Fiscal Year Annual Research Report
小学校入学前後の人間関係の変容-愛着の世代間伝達仮説の検討
Project/Area Number |
14510167
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
高橋 惠子 聖心女子大学, 文学部, 教授 (40050786)
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Keywords | 世代間伝達 / 愛着 / AAI / 人間関係 / 親子関係 / 縦断研究 / 幼児 |
Research Abstract |
本研究は、子どもの発達への親の影響についての理論の中で近年問題にされている'世代間伝達仮説'を検討することを目的とする2つの縦断研究から成る. 研究1:世代間伝達研究で用いられているAAI(Adult Attachment Interview)で測定される愛着とその規定因についての調査を,平成11〜13年度の基盤研究で実施ししてきたが,本年度はさらに4名の調査協力者を増やし(計29名)分析をした.その結果,不安定な愛着であると特定された学生はQOLにおいて問題を持ち,また,人間関係,特に,母親との関係が疎であることが注目された. 研究2:幼児期から小学校入学前後の縦断研究である.3歳から人間関係の発達を中心に追跡している幼児85名とその両親が対象である.14年度は,(1)4〜6歳時調査の継続と(2)14年4月に入学した22名の子どもと両親の調査を実施した.そして,本研究の理論的基盤としての理論的論文を書き,分析結果の学会発表をした.また,これまでのすべての調査,観察,面接,測定の資料のデータ・ブックをつくる作業にとりかかっている.本年度の分析は主として幼児の人間関係の様相(a.だれがどのように重要か,b.人間関係の個人差)についてと,幼児の愛着の測定について,を中心に行った.その結果,幼児でも母親とは疎であると報告する子どもがいること,それには,両親の子育て観,夫婦関係などが影響していることが注目された.
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