2003 Fiscal Year Annual Research Report
日中米実態比較に基づく「障害児者相談・支援センター」モデルの作成に関する研究
Project/Area Number |
14510188
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西村 章次 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00008731)
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Keywords | 障害児者相談 / 発達診断 / 生活支援 / 孟長寿 / J.David.Smith / 国際研究 / センターモデル / 発達診断用具 |
Research Abstract |
1.「障害児者相談・支援センター」のあり方は、「電話での相談申し込み、直接会い、障害児者の発達診断を障害児者が楽しめる方法で行い、来談した障害児者の実態を把握しながら、関係者と支援方略を立て、必要な場合には後方支援と連携していくことにある」というモデルを、中国・NGO「成都聖愛特殊教育センター」理事長・孟長寿およびアメリカ・バージニア大学ワイズ校副学長(元ロングウッド大学)・J.David.Smithを招聘し、検討した。 2.招聘した孟長寿、J.David.Smithを囲んでの両氏の擁護・後見人としての体験談と、当事者、親、施設職員による「話し合い」を行った。(1)孟長寿からは労働保障の問題、(2)J.David.Smithからは共に生きることの課題が提起された。(2)当事者からは、結婚の問題や夫婦生活の問題、コミュニケーションの問題等、生活上の問題が出され、(3)親、職員からは、とくにJ.David.Smithが「なぜ血縁関係のない知的障害者の後見人になったのか」に関しての質疑がなされた。なお、孟、Smith両氏の体験談のテ-プ起こしを行った。 3.J.David.Smithの体験談から、障害児者の地域支援には、日本の文化土壌からの発想の転換が求められていることが伺われた。 4.障害児者との面談に必要な「障害児者相談用発達診断用具」を開発した。これは、一緒に遊びながら障害児者の実態を把握しつつ、障害児者のニーズを聞き取っていく方略の道具である。そのマニュアルの内、用具の使用法と評価表の日本語版と中国語版を作成した。 5.生活相談・支援センターの相談内容の分析を行った。また、2名の成人自閉症者のケース研究を行うと共に、7名、延べ約20回の障害児の相談活動を行い、背景支援の困難性と重要性を把握した。 6.「『障害児者相談・支援センター』最終モデル」作成のための資料を整理しつつある。
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[Publications] 西村 章次: "『障害児者相談用発達診断用具』使用説明書"埼玉大学教育学部障害児教育講座心理学研究室. (印刷). 12 (2003)
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[Publications] 西村 章次: "『障害児者相談用発達診断用具』記録用紙"埼玉大学教育学部障害児教育講座心理学研究室. (印刷). 1 (2003)
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[Publications] 西村章次, 権明愛, 張寧生, 魏華忠: "『N-QZW発育診断工具』使用説明書(中国語版)"埼玉大学教育学部障害児教育講座心理学研究室. (印刷). 10 (2003)
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[Publications] 西村章次, 権明愛, 張寧生, 魏華忠: "『N-QZW発育診断工具』記録用紙(中国語版)"埼玉大学教育学部障害児教育講座心理学研究室. (印刷). 1 (2003)
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[Publications] 稲月幸子, 西村章次: "二項関係における三項関係初形態の存在に関する検討-『見る』ことに焦点を当てて-"埼玉大学紀要教育学部(教育科学III). 53巻・1号. 44-54 (2004)
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[Publications] 権明愛, 西村章次: "C-PEPの『芽生え』項目に着眼した自閉症児の指導効果について-中国の児童を対象に-"埼玉大学紀要教育学部(教育科学III). 51巻・1号. 39-43 (2004)