2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14510196
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| Research Institution | Saga University |
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Principal Investigator |
樫澤 秀木 佐賀大学, 経済学部, 教授 (60214293)
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| Keywords | 環境アセスメント / 紛争処理 / 双方向コミュニケーション |
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| Research Abstract |
科学研究費補助金の給付期間は、平成14年度から4年間である。そのため、初年度に当たる平成14年度は、本研究の基礎的部分に当てられた。研究実績は以下の通りである。
1.環境紛争の多くは、従来のアセスメントに対する考え方の不備に由来する。アセスについては、科学的な側面からだけでなく、社会的な、そして紛争処理の側面からも考察すべきである。すなわち、今日のリスク社会においては、科学的な因果連関の確定が困難であることは明らかとなっており、どれほど科学的なアセスを施したとしても、それに対する反論は可能であり、紛争は継続する。したがって、アセスについては、紛争処理制度という要素も求められている。
2.その場合、環境紛争は、杜会的コミュニケーションの形態の観点から研究されるべきである。具体的には、事業者と反対運動との双方向コミュニケーションが重要である。現在のアセスは、事業者あるいは反対者からの一方的なコミュニケーションしか保証していない。これはむしろ紛争を拡大させるだけである。日常的コミュニケーションと同形の双方向コミュニケーションがアセス手続において整備されることが必要である。
3.以上の観点から、今年度は、「北海道千歳側流域対策検討委員会」の資料を入手し、また「熊本県川辺川住民説明会」を調査した。どちらも上記の双方向コミュニケーションが行われた、あるいは行われている実例である。
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