2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代漁村における生活変容と地域社会形成に関する社会学的実証研究
Project/Area Number |
14510199
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 利明 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (10215816)
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Keywords | 漁村 / 漁業 / 生活変容 / 地域社会 / 高齢化 / フィールドワーク / 社会学 |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる16年度は、主として以下の3点に関わる研究を行った。 第1点は、本研究の当初よりの構想であった北東北3県(青森県・岩手県・秋田県)の事例における実証研究のうち、最後の岩手県の事例に取り組んだことである。対象として、釜石市におけるグリーンツーリズム事業を取り上げた。 第2点目として、昨年度の研究対象であった青森県(津軽半島)と秋田県(八森町)について、補充調査を行うとともに、行政・統計・郷土関連の資料収集を行った。 第3点に、3年間にわたる研究の総括・集成として得られた情報の整理・分析作業を行ってきた。 今年度は、上記の第2および第3点が中心となったために、第1点目の釜石市の事例の実証研究については研究上の若干の積み残しが生じたものの、(1)行政主導型でスタートした事業がその後住民の自主的な取り組みに転換してきたこと、(2)海(漁業・漁村)と里(農業・農家)をリンクする形で展開していることなどが明らかとなった。今後は、個人的に研究を継続することとしたい。 青森県の補充調査では、津軽半島沿岸において、三厩村の地区婦人会がそれまで省みられることの無かった地先の海藻資源を活用した製品開発を実践している事例、廃校となった小学校の校舎を再利用して海浜レジャーの拠点としている今別町の事例、鮮魚と海産物加工品の販売を漁協の直営売店で行っている今別西部漁業協同組合の取り組み事例を調査研究した。 研究の総括としては、研究実績書につながる作業成果として、3年間にわたる研究で得られた情報や資料をとりまとめた研究資料集を編集したことである。今後、これらの研究成果を著書ないし論文として今後の研究に活用することとしたい。
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