2004 Fiscal Year Annual Research Report
近代移行期の家族と地域性:庶民のライフコースと社会的ネットワーク
Project/Area Number |
14510212
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
黒須 里美 麗澤大学, 外国語学部, 助教授 (20225296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
速水 融 麗澤大学, 国際経済学部, 教授 (40051164)
岡田 あおい 帝京大学, 文学部社会学科, 助教授 (50246005)
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Keywords | 歴史人口学 / 家族社会学 / 地域研究 / 宗門改帳 / データベース |
Research Abstract |
本研究は、幕末から明治初期にかけて全国数地域に残る、各地域1000-4000世帯の情報を有する宗門改帳や戸籍を利用し、庶民(特に農民・漁民)のライフコースと、社会的・地理的移動を中心とした社会的ネットワークを分析することから、近代移行期の家族と地域性を探ることが目的である。本研究計画最終年度となる本年度は、昨年度までにデータベース構築、フィールド調査、及び試験的分析を進めてきた、備中、備前、肥前、伊勢、そして武蔵に続いて、常陸を加えてさらにデータ構築作業と分析を進め、比較作業を中心に以下のようなステップで研究を進めた。 (1)史料の比較:史料のもつそれぞれの地域的・年代的特徴と、親族用語について批判的分析と整理をした。その際、比較によって明らかになった各地域の用語の差異を整理し、原史料との突合せや確認を行った。 (2)データベースの構築:常陸データも含めて、データクリーニングを行い、世帯構成情報などを追加し、リレーショナルデータベース(CB2)を利用した幕末維新期人口・家族データベースを拡張した。多摩、越前については社会経済指標の拡充を図り、人口・世帯分析への導入を検討した。 (3)比較分析:基礎的な人口指標分析、人口学的手法を利用した結婚・出生パター分析、ハメル・ラスレット分類を応用した世帯構造分析等を進め、地域比較を行った。さらに、社会的、地理的移動を考慮したネットワーク分析を検討した。 (4)分析結果のまとめ:分析結果をこれまでの地域研究理論の中に位置づけ、地域性を考慮した、日本の人口・家族システムについて理論的構築を議論した。これらの成果の一部については、11月のシカゴにおけるSSHA(社会科学・歴史協会学会)、麗澤大学経済研究などで報告したが、本科研の成果報告書については現在検討・作業中である。
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Research Products
(5 results)