2002 Fiscal Year Annual Research Report
現代家族の育児困難・育児不安と子育て支援に関する研究
Project/Area Number |
14510234
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桜谷 真理子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50288619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 喜美子 大阪国際大学, 短期大学・幼児教育科, 助教授 (10353020)
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Keywords | 一時保育 / 子育て支援 / 家族支援 / 児童虐待 / 児童養護施設 / 児童相談所 |
Research Abstract |
本年度は予備的な調査及び事例研究を行った。まず、一時保育ニーズ調査から報告したい。保育所の一時保育を利用した理由としては、子どものため44.1%、仕事44.1%.求職活動20.6%が主な理由であった。利用して満足しているという回答が88.2%あった。しかし、6割の人が現状では利用しにくいと回答している。その要因として制度的な問題だけでなく、母親の意識として子どもを預けることに対するうしろめたさや周囲の無理解があることが明らかになった。1歳8ヶ月検診を受診した母親を対象にしたニーズ調査でも、親の病気、学校の行事、育児疲れからの解放などのために利用したいという希望は多かった。しかし、利用していない理由として、利用方法を知らない、手続きが面倒という制度面に関する回答と、「子どもがかわいそう」「預けてまでリフレッシュしたいとは思わない」「愛情がうすいと言われる」などという回答がみられた。一時保育が子育て支援として有効に機能するためには制度的な課題だけではなく父親、母親及び社会への啓発が大切だといえよう。次に、保育者からみた子どもの育ちと養育の実態に関する調査結果について報告したい。まず、子どもの育ちで気になる特徴として、情緒不安、暴力的な行動などが挙げられていた。また、保育者へ甘えてかまってほしがる子どもが多いことが明らかになった。親の養育にも問題が多く、子育て支援、家族支援の必要性が噌していることが明らかになった。なお、児童相談所における相談事例の分析を通じて、児童虐待を起こす家族の特徴と支援の方向について検討を行った。児童養護施設における虐待ケースへの対応についてのヒアリングも行ったので、今後分析をしていきたい。今後の計画としては、一時保育調査の継続、新たな保育園調査の実施、児童相談所ケースの分析、児童養護施設における実践の分析を行っていくつもりである。
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Research Products
(1 results)