2002 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉基礎構造改革と人権擁護システムの新展開に関する調査研究
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14510235
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
加藤 薗子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70066413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤松 素子 佛教大学, 社会学部, 助教授 (40261721)
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Keywords | 社会福祉基礎構造改革 / 地域福祉権利擁護事業 / 判断能力が不十分な人 / 社会福祉の「民営化」 / 高齢者オンブツマン / ケア監視員 / 専門員 / 生活支援員 |
Research Abstract |
21世紀の高齢社会では、痴呆性高齢者など急増する要介護高齢者に対する質の高いケアと人権擁護の社会的支援システムの構築が焦眉の課題である。本研究は、今日の社会福祉基礎構造改革のもとで提起された、判断能力が不十分な人への福祉サービス利用援助の制度である「地域福祉権利擁護事業」の意義と役割に注目し、その発展の方向性と課題を明らかにすることを目的としている。とりわけ、先進的な高齢者ケア・人権擁護システムの整備とその実践的蓄積をもつスウェーデンの経験に学びつつ、福祉比較研究の視点からわが国固有の新しいシステム構築のための課題を解明することである。 そこで本年度はまずわが国における「地域福祉権利擁護事業」の実施状況と援助者である「専門員」「生活支援員」の位置づけなど当面する諸問題を明らかにすることを目的として、東京、神奈川、京都、大阪、北九州の社会福祉脇議会・自治体を対象に聞き取り調査および資料収集を行った。同時に、スウェーデンにおける「高齢者人権擁護システムのしくみと現状」を把握するために、社会庁(socialstyrelsen)の高齢者福祉担当者、stockholm市、sollentuna市の人権擁護の直接的担い手である「高齢者オンブツマン」「ケア監視員(コントローラー)」に面接し、高齢者ケア・人権擁護に関わる政策的動向とコミューンレベルでの具体的な取り組みの現状について聞き取りを行った。 今回の日瑞における聞き取り調査は、社会福祉の「民営化」が進む両国の取り組みの比較検討を通して、わが国が取り組むべき改善課題を明確化するうえで重要な意味と成果があった。
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