Research Abstract |
平成14年度にマツダ従業員調査(有効回答数298人)を実施したのち,平成15年度には次の2つの作業を実施した。 (1)4月〜8月期 広島県自動車産業事業所データベースの作成 これは,『広島商工年鑑』(広島商工会議所),『広島企業年鑑』(広島経済研究所),『広島会社手帳』(経済レポート)などの刊行資料(2003年版)をもとに,広島県の自動車関連事業所541社(自動車販売をふくむ)をリストアップし,これらの資料に記載された資料をデータベース化した。また,学生アルバイトに依頼し,これらの事業所のHPの有無をチェックしてもらい,HPのある事業についてはその内容もデータベース化した。現在のところ,このデータベースは(2)の訪問調査の原簿として活用したにとどまるが,よそう以上に豊富な情報が得られたので,今後独自の分析も試みたい。 (2)事業所訪問調査 10月〜12月,上のデータベースにより,広島市,府中町,海田町,呉市,東広島市の自動車部品製造関係の事業所161社に訪問調査の依頼状を発送し,承諾を得た42社を訪問調査した。日程上の理由から,学生アルバイトに訪問を依頼したものが24社ある。依頼数にくらべて承諾数がすくないのはマツダの経営不振期に,マスメディアによる調査がいくつかおこなわれ,その後遺症が残っていることも,ひとつの理由のようである。結果的に,われわれが訪問調査できた企業は「元気な」企業に集中した。調査を受けいれてもらえた事業所の規模は多様だが,金型,木型を制作する中小の事業所が過半数を占めた。調査結果から,極度に先端的な固有の技術というより,ある程度応用のきく,ある程度固有で,ある程度高度な技術の重要性という仮説が生じているが,もう少し検討を要するところである。
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