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2005 Fiscal Year Annual Research Report

子どもの意見表明権の発達思想的基礎付けとその法哲学的および法解釈学的意味

Research Project

Project/Area Number 14510269
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

世取山 洋介  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (90262419)

Keywords国連子どもの権利条約 / 意見表明権 / Vygotsky / 権利意志説 / 権利利益説 / 関係的権利論 / 子どもの主体性
Research Abstract

本研究は、国連子どもの権利条約第12条に規定されている子どもの意思表明権の法哲学的、教育思想的意義を明らかにし、それに基づいてその法的意味を明らかにするために、4年間行われた。成果は以下の通りである。
第1に、子どもの権利の本質をめぐる二極論-権利利益説に基づき、権威的な大人に対する服従を子どもの利益として同定し、子どもの権利の本質を権威への服従に求める立場、および、権利意思説に基づき、子どもが想定されていた以上に早く大人と同等の合理性を獲得するに至るとし、子どもの権利の本質を、権威への服従から開放に求める立場-が、発達思想的には、子どもの発達を非合理的な非社会的精神状態から、合理的かつ社会的なそれへの入れ替わりとみなしていることにおいては変わらず、意志表明権を包摂し得ないものであること。
第2に、意見表明権を子どもの権利の中に位置づけるためには、子どもが主体性を持って生まれ、かつ、子どもの主体性に応答する大人との関係においてこそ保障されるというVygotskyの発達思想を基礎にする必要があること。Vygotsky心理学に基づけば、意思表明権は、子どもが生まれながらにして有している主体性と、それを可能にする応答的な関係を保障することにその主眼があると解されることになる。
第3に、この応答的な人間関係を形式性を本質とする法によって直接実現することは不可能なので、そのような応答的関係を「可能化する」ことにその役割が求められる。(1)応答的な関係を可能にする条件整備(具体的には、このような応答的な関係を教師と子どもとの間で可能にするクラスサイズ)(2)子どもに直に接している大人が子どもの要求に応答しながらその養育を実行していくことを不可能にするような干渉が国に禁止されること、および、(3)それとの間で応答的な人間関係を有すべき大人を有していない子どもにそのような大人を提供することである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 子どもの権利条約の実現目指す運動と理論の20年2005

    • Author(s)
      世取山洋介
    • Journal Title

      子育ち支援の創造-アクション・リサーチの実践を目指して(小林他編)(学文社)

      Pages: 128-142

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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