学校管理職の資格要件と養成プログラムの開発に関する基礎的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14510291
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 北神 正行 岡山大学, 教育学部, 教授 (80195247)
• Keywords: 学校管理職 / 校長等研修 / 中央研修 / 組織マネジメント研修

Research Abstract

本研究は,学校経営の責任を担う学校管理職(校長・教頭)に求められる資質能力を保障しうる資格要件の在り方と養成プログラムの開発を目的とするものである。本年度は、校長免許制度廃止後の学校管理職研修の内容等について,特に,1970年度に開始された中央研修を分析対象に,その研修内容(テーマ)等の資料収集に基づく作業を実施した。その結果,中央研修での学校管理職研修の内容としては,教養関係講義,学校管理関係講義,教育指導と学校管理,教育内容・方法関係講義,演習等で構成されていること,特に,学校管理・運営に関する講義・演習に重点が置かれている実態が明らかになった。こうした点は,校長免許状制度において求められていた校長の専門的力量である学校経営,学校管理という側面との密接な関連性のもとで,研修内容が組み立てられ,その中で実践的な力量形成をはかっていったのではないかという結論を得ることができた。と同時に,時代的な変遷も見られ,特に2002年度からは,新たに校長等研修と中堅研修の双方で「組織マネジメント研修」が追加されており,民間企業の組織マネジメントの代表的な手法に,学校や教育委員会で活用できる工夫を加え,研修として提供することで,学校運営の改善を担える管理職の養成,スキル・アップが図られようとしていることが明らかになった。次年度は,こうした実態を踏まえ,さらに地方での研修の内容の分析や最近の学校経営論,校長論等の分析を進めるとともに,研究全体のまとめを行うこととする。