多動・衝動的傾向を示す幼児の発達と育児困難状況及び援助に関する実証的縦断的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14510301
• Research Institution: Aichi Prefectural University
• Principal Investigator: 山本 理絵 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (60249282)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 神田 英雄 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (40177762) ; 別府 悦子 中部学院大学, 人間福祉学部, 助教授 (60285195) ; 神田 直子 愛知県立大学, 文学部, 教授 (30117783)
• Keywords: 多動的傾向 / 難しい子ども / 気質的特性 / 発達障害 / 子育て困難 / 育児不安 / 子育て支援 / 保育・援助

Research Abstract

1.2002年2月に度実施した愛知県内10カ所の保健センターにおける乳幼児健診受診者、フォローアップグループ参加者(親)を対象とした質問紙追跡調査の結果を分析し、多動・衝動的傾向や気質的に「難しい子どもの」特性を示す幼児の親の子育て困難・不安の傾向、子育て支援ニーズを把握した(H15年度日本教育心理学会自主シンポジウムで報告)。また、2002年調査を2001年2月に実施した同様の調査と比較し、1歳児から4歳児の母親の子育て困難・不安、子育て支援ニーズの発達的変化を分析した。
2.保健センターや保育園、幼稚園、小学校、児童相談所等から、多動・衝動的傾向を示す幼児や、子育て困難を抱える親についてやその対応・支援方法についての資料を収集し、その発達的特徴や、親の育児困難の内容や程度、子育て支援要求・方法についての検討をすすめている。
3.1、2に基づき、また、ADHD,LDなどの軽度発達障害の診断や援助に関する資料を収集し、第3回目の質問紙調査の質問項目を検討し、約1300名の親(主に4歳半と6歳の親)を対象とした追跡調査を実施し、集計中である。
4.中国四川省における幼児教育の状況を視察し、中国における知的に軽度・中度の障害がある子どもの教育方法に関する資料や、社会・学校(幼児園)・家庭の協働による教育に関する資料を収集したので、参考にしていきたい。なお、「難しい子ども」への対応の実践事例やシステムについてのアメリカの研究情報を収集するためのロサンゼルスでの調査は、都合がつかず今年度は実施できなかった。

Research Products

• [Publications] 山本理絵, 神田直子: "育児期の困難さに応じた子育て支援"季刊 保育問題研究. 201号. 126-140 (2003)
• [Publications] 神田直子, 山本理絵: "子どもの「育てにくさ」と親の育児不安・マルトリートメント-1歳から4歳の発達的変化-"愛知県立大学児童教育学科論集. 37号. 31-40 (2003)
• [Publications] 別府悦子: "通常学級における学習困難をもつ児童の特別支援と学校体制について-「特別な関わり方」を必要とする事例を中心に"中部学院大学・中部学院大学短期大学部紀要. 第4号. 33-45 (2003)
• [Publications] 神田直子: "幼稚園における「預かり保育」の課題"保育学研究. 第41第2号. 160-161 (2003)
• [Publications] 神田英雄: "幼児の素顔を見つけよう-言葉で考えることができはじめる子どもたち"現代と保育. 55号. (2003)
• [Publications] 神田英雄: "内面がふくらむ二歳児の保育"現代と保育. 57号. (2003)
• [Publications] 別府悦子: "LD,ADHD、高機能自閉症児の発達保障"全国障害者問題研究会出版部. 135 (2003)