戦後教育改革期における現職研修の成立過程に関する研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14510305
• Research Institution: Sendai University
• Principal Investigator: 佐藤 幹男 仙台大学, 体育学部, 教授 (30142904)
• Keywords: 戦後教育改革 / 現職教育 / 研修 / 再教育 / GHQ / 教育刷新委員会 / IFEL

Research Abstract

戦後改革期を対象とした代表的な研究としては、海後宗臣編『教員養成』(戦後日本の教育改革8、第4章第5節「現職教育」)があるが、それ以外で、この時期の現職教育を扱った研究は、数編に過ぎない。しかも、概要の記述、特徴の指摘に止まっている。もちろん、それだけでも、この時期の現職教育の全体像(アウトライン)は把握できる。しかし、ドラスティックな教育改革に際して、その成否の鍵を握る教員の質の側面における改革が、どのように進められたのか。たとえば、戦前の教員講習を中心とした資質向上策、資質観の何が否定され、何が受け継がれたのか、新たに成立した教育公務員特例法に盛り込まれた「研修」条項はいかなる意義を有したのか、限界はなかったのか、さらには、文部省や地方の教育行政機関がGHQの教員の資質や専門性の捉え方をどう受け止め、それをどう具体的な再教育、講習事業に反映させていったのか、教育委員会制度の発足の前と後では違いがあるのかないのか、再編された教員養成機関はどのように関わったのか、といった細部での具体像は見えてこない。それらの点での検討が、本研究の課題となることを確認し、平成14年度は、先行研究の検討を基に、上記の課題に迫るため、次のような資料の収集に着手し分析を開始した。1.政策関連資料:(1)GHQ・CIE(2)教育刷新委員会(3)文部省 2.実施過程関連資料:(1)中央〜(1)教育研修所(2)文部省主催講習会(3)IFEL(4)免許法認定講習 (2)地方(宮城県)〜(1)実施体制、(2)講習会、(3)教育研究所、(4)免許法認定講習会、(5)師範学校・新制教員養成大学、(6)教職員組合、(7)学校