2002 Fiscal Year Annual Research Report
米国における異なるエスニシティの高齢化と自立概念の浸透過程に関する研究
Project/Area Number |
14510336
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐野 敏行 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (20196299)
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Keywords | アメリカ文化 / 移民の適応過程 / 家族形態の変化 / 高齢者 / 親子関係 / エスニシティ / 比較民族誌 / 自立と依存 |
Research Abstract |
本年度において、(A)基本となる資料の整備、(B)対象地の米国中西部小都市への訪問により地域生活の実態と変化、家族生活の現状と変化を把握、(C)家族関係の変化を示す再構成図の作成、をおこなった。課題を究明するための分析研究をおこなうのに必要な分析資料の整備を次の要領でおおむね達成することができた。(A)ヨーロッパ系高齢者に関して、ウィスコンシン州の小都市の地域生活および家族生活を再構成する歴史的資料として主要な米国センサス手書き原簿のうち1920年と1930年のマイクロフィルムを入手し、対象とする小都市市内全6街区分(1920年約11,600人、1930年約12,800人)および周辺農場地域3郡区(1920年約6,300人、1930年約5,300人)のプリントアウトを作成し、順次、センサス原簿29項目のうち、基本属性となる12項目をデータベース化している。アジア系高齢者に関して、ハワイ州の小都市の地域生活・家族生活を再構成する歴史的資料として主要な米国センサス手書き原簿のうち1900年、1910年、1920年、1930年のマイクロフィルムを入手し、ヒロ地区のプリントアウトを作成した後、都市部のみの住民を確定した。都市部のみの人数は、1910年約9,000人、1920年約12,500人、1930年約18,500人であった。対照とする米国中西部とおおよそ同様の人口規模の都市であることが判明した。この資料のデータベース化は次年度の課題である。(B)現地調査として、ウィスコンシン州の歴史協会資料室において対象地の1875年の州センサス資料を収集と地図資料の確認を行い、7組のファミリー、シニアセンター職員、郡職員への聞き取りから対象地の近年の地域生活の変化について資料収集した。(C)ヨーロッパ系高齢者に関わる1900年から1910年の家族変化を示す家系図の再構成は、748ケースについて完了することができた。
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