2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510339
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
奥野 克巳 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (50311246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信田 敏宏 東京都立大学, 人文学部, 助手 (70336501)
花渕 馨也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (50323910)
池田 光穂 熊本大学, 文学部, 教授 (40211718)
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Keywords | 近代医療 / 民族医療 / 帝国医療 / グローバリゼーション / 文化人類学 |
Research Abstract |
平成14年度の研究計画に沿って、「植民地宗主国および被植民地、第二次世界大戦後に植民地から独立した新制国家が、民族医学をどのように捉えていたのか、また、民族医学が、圏外から導入されつつあった近代医療とどのような関係におかれようとしていたのかという問題」の検討を、文献研究を中心に行った。その成果は、「11.研究発表」の項目の中で示されるように、日本民族学会の学会誌『民族学研究』67号第3巻の特集論文の中に、二つの論文(奥野、池田)として発表された。 このような民族医学の再検討を経て、本グループは、グローバル化する近代医療の問題検討に向かった。メンバー全員は、2003年1月25日(土)に熊本大学に参集し、九州人類学研究会と共同で、「帝国医療の予感:植民地状況における医療と文化を考える」と題するシンポジウムを開催した。池田光穂が司会を担当し、他のメンバーはパネラーとして参加した。その場では、非西洋社会に近代医療が導入された初期段階の形態である「帝国医療」を中心課題として、「いまなぜ、帝国医療か?」(池田)「グローバル化する近代医療の淵源を辿る」(奥野)「コモロ諸島における帝国・近代医療と精霊愚依」(花渕)「病気としてのラター?」(信田)というタイトルの報告が順番に行われ、活発な議論がなされた。このシンポジウムの成果については、現在メンバー全員で学術雑誌に執筆中であり、2003年中に公刊される予定である。
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