2005 Fiscal Year Annual Research Report
民俗芸能における文化財指定の及ぼす影響に関する調査研究
Project/Area Number |
14510344
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 繁幸 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 芸能部・民俗芸能研究室, 室長 (20342941)
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Keywords | 民俗芸能 / 文化財指定 / 無形民俗文化財 |
Research Abstract |
平成17年度は、4年度目調査として、以下の民俗芸能を対象にその現状確認調査を実施した。 (1)天津司舞(山梨県甲府市)昭和51年5月4日指定(再調査) (2)壬生狂言(京都府京都市)昭和51年5月4日指定(再調査) (3)住吉の御田植(大阪府大阪市)昭和54年2月3日指定 (4)祇園祭の山鉾行事(京都府京都市)昭和54年2月3日指定(再調査) (5)安乗の人形芝居(三重県志摩市)昭和55年1月28日指定 (6)奈良豆比古神社の翁舞(奈良県奈良市)平成12年12月27日指定 (7)京の六斎念仏(京都府京都市)昭和58年1月11日指定(再調査) (8)伊勢太神楽(三重県桑名市)昭和56年1月21日指定(再調査) (9)車大歳神社の翁舞(兵庫県神戸市)平成12年12月27日指定(再調査) (10)湧出宮の宮座行事(京都府山城町)昭和61年1月14日指定 これらの確認にあたっては、それぞれの指定時における芸能概要説明と、実際の公開状況を比較するとともに、可能な限り地元関係者からの情報収集を行い、指定後の変化等につき調査した。また今年度は最終年度であるので、これまでの調査時に天候などの影響で十分な公開調査を行えなかったものや、大会等での公開調査にとどまったものに関しては再調査を実施し、あらためて現地公開状況の確認を行った。その結果本年度調査した上記10件の芸態等に関しては、指定時以降の著しい変容は認められず、総じて指定時の価値がよく保たれていることが確認できたが、一部に次年度以降の公開期日の変更が予定されるなど、懸念される状況も確認された。公開環境については、観客席の整備や有料観覧席の設置など、指定後の変化と考えられる変化も確認された。
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