2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510394
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
北川 俊昭 富山商船高等専門学校, 一般教科, 助教授 (70270246)
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Keywords | 通典 / 杜佑 / 中国史学史 |
Research Abstract |
『通典』礼にみえる杜佑の議論を検索し、「説」20箇所・「議」12箇所・「評」5箇所の文章をそれぞれ確認し、各文章の内容の要約を一覧表にまとめた。また最も古い北宋版『通典』(影印本)を底本として、各議論を他の諸版本と必要に応じて校勘し、字句を確定した。その際にこの校勘作業の精密度を高めるため、国内の図書館のみならず、10月には台北の国家図書館および12月には中華人民共和国の国家図書館所蔵『通典』諸版本を実地に調査した。その結果、最もよく利用される校点本『通典』(中華書局版)は、テキストとして大きな欠陥はないものの、校勘ミスによりこれまで全く見過ごされていた議論(「説」)や、2種類の異なる議論(「説」「評」)を誤って一個の文章(「説」)として取り扱っている事例等を新たに発見し、それぞれの議論の数と範囲を正しく確定し直すことができた。 さらに、個々の議論の定義と相違については、以下の事実を明らかにした。「説」とは、杜佑が重要と考えた経典の論理を説き明かし各典籍の具体的な記事を引用することにより、礼に関するいくつかのテーマごとに解釈の拠り所を示したものである。「議」とは、礼の解釈にあたり拠り所とする経典が異なっていたり、関係する経典の記事自体が相互に矛盾する場合、経典の論理にしたがって適切な解釈を示したものをいう。「評」とは、先学の礼に関する解釈を適宜掲示して、品評を加えたものなのである。すなわち、「説」はおもに経典の引用からなる文章、「議」は杜佑自身の視点により議論を展開している文章、そして「評」は先学の解釈の優劣を比較した文章であることを明確にできた。
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Research Products
(2 results)