2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510397
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 重郎 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (30323223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕 筑波大学, 名誉教授 (70151305)
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Keywords | アッシリア / 帝国 / 楔形文字 / アッカド語 / 支配 / 領域 |
Research Abstract |
(1)アッシリアの行政州建設がもっとも顕著な発展を見せたティグラト・ピレセル3世(在位前745-727年)時代のデータに関する一連の研究を行った。具体的には、同王の王碑文の新しい編集本(H. Tadmorと共著でTorontoから出版予定)の作成作業を継続しつつ、同時代の書簡史料(2001年に新たに英国のH. W. F. Saggsによって出版された)を研究することで、行政州建設と行政州管理に関するデータの収集と分析を行った。 (2)これまでに行った体系的データ収集と分析の成果を活用しつつ、以下の個別研究をまとめた(ORIENT, vol.40[2005]において近刊)。 個別研究「新アッシリア帝国フロンティアにおけるカール(Karus on the Frontiers of the Neo-Assyrian Empire)」:前9世紀から前7世紀のアッシリア文書史料に見出されるkaruあるいはbit-kariと呼ばれる港、交易基地、行政拠点に関するデータを網羅的に集めて分析し、帝国の拡大に伴ってフロンティアにkaruあるいはbit-kariが継続的に建設されていく過程を追跡し、歴史的に分析した。こうした新設されたアッシリアの行政的・商業的拠点は、アッシリア王に直属するrab-kariと呼ばれる高級官吏によって運営され、アッシリア王とフロンティアの地方有力者や交易者との間に取り決められた協定に基づいて国際交易を保護しつつ、アッシリアが州行政システムの領域外で行われる国際交易から利益を吸収するシステムの中核として機能したことを示した。
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Research Products
(1 results)