2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510433
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
黄 暁芬 東亜大学, 総合人間・文化学部, 教授 (20330722)
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Keywords | 東アジア文明 / 地域文化の比較研究 / 葬送儀礼 / 都城の起源 |
Research Abstract |
本年度は、以下の調査と研究発表を実施した。 (1)中国陜西省商州市東龍山漢墓の発掘調査 東アジアの視野で漢文化の深層を追及するため、自主企画として陜西省考古研究所と三重大学考古学研究室との連携によって商州市東龍山大型漢墓の発掘調査を2002年4月から7月実施した。その結果、地上の版築墳丘や地下で並列に造った2つの磚室墓を発掘し、古い時期から盗掘に遭ったが、残った副葬品は青銅器、銅鏡、陶器、玉器、貨幣、木製品など300点ほど出土した。それによって、前漢末(紀元前後)の地方有力者の墓であることが確認できた。墳丘の築造法や銅鏡の文様、副葬品のあり方など、大陸文化と日本の弥生・古墳時代との文化交流を解明するのに対比できる重要な手掛かりを提供した。現在、副葬品の修復作業、図版・報告書を作成中。 (2)東アジア地域における巨大古墳の成立に関する調査・韓国国際学術大会での研究発表 東アジア地域における巨大古墳の出現とその歴史背景を明らかにするために、まず中国・日本の巨大墳墓の資料をデータ化すると同時に、近年明らかになりつつある韓国栄山江流域の前方後円墳を現地踏査した。それら調査と研究成果の一部を「中国古代における大型墳墓の出現と社会変動」をテーマに、2002年9月14・15日に韓国国立文化財研究所主催、韓国・中・日・ロシアの学者参加の国際学術大会『東アジアにおける大型古墳の出現と社会変動』で口頭発表をし・他国の学者との議論を重ね、東アジア地域文化の研究基盤を築くために基礎的研究となった。出版した論文集には中国語,ハングル、日本語、英語、ロシア語訳で掲載した。 (3)東アジア地域研究における都城の起源問題を考察・検討・発表 近年、中国黄河・長江流域で先史城郭遺跡の発見が相次ぎ、最新資料に基づいてその性格を考察・検討・発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 黄 暁芬: "研究発表「中国古代における大型墳墓の出現と社会変動」"2002年9月14日 韓国国立文化財研究所主催国際学術大会『東アジアにおける大型古墳の出現と社会変動』(ソウル). (2002)
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[Publications] 黄 暁芬: "基調講演:「古代中国における大型古墳の形成と特質」"2002年10月13日 第13回日本中国考古学会大会・総会(東京). (2002)
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[Publications] 黄 暁芬: "研究発表:「神国先史城邑の性格と意義」"2003年3月18,19日国際日本文化研究センター共同研究「東アジア的空間と都市との関係体の形成と変容」(京都). (2003)
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[Publications] (高崇文, 安田編)黄暁芬執筆: "長江流域青銅文化研究・変革期的楚墓一埋葬施設的開通思想及其実践"文物出版社(北京). 1-358 (2002)
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[Publications] (韓国国立文化財研究所編)黄執筆: "国際学術大会論文集第11輯『東アジアにおける大型古墳の出現と社会変動』"韓国国立文化財研究所(ソウル). 1-230 (2002)
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[Publications] (千田, 宇野編)黄暁芬執筆: "東アジアと半島空間-山東半島と遼東半島-・古代葬制の交流"思文閣出版. 1-230 (2003)