2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510434
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
武末 純一 福岡大学, 人文学部, 教授 (80248533)
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Keywords | 無文土器時代 / 原三国時代 / 集落構造 / 国 / 環溝 |
Research Abstract |
本年度は韓国の諸機関が発行した無文土器時代および原三国時代関係の報告書を収集し、報告された遺構・遺物をカード化した。また、慶尚南北道(嶺南)地域の資料や東京大学所蔵の楽浪関係遺物を実際に調査・検討した。そして特に無文土器時代早〜中期の様相について、集落構造分析の基礎となる土器編年や青銅器のありかたも含めて検討を進めた結果、新たに次のような知見を得た。 (1)無文土器の編年では、これまでの前期の前に早期として刻目突帯文土器(〓沙里式)を設定できる。 (2)無文土器の前期〜中期の大まかな変遷はこれまでと変わらないが、その内容は意外に複雑で、地域差もかなりある。 (3)暦年代については、中期が紀元前5〜6世紀、前期が紀元前7〜8世紀という目安を得たが、放射性炭素による測定年代とは大きな開きがあり、ひきつづき検討すべきである。 (4)麗水半島の遼寧式銅剣のありかたからみて、遅くとも無文土器時代中期には国という地域政治単位が成立していた。 (5)無文土器時代前期までの集落は小規模だが、中期には巨大環溝集落があらわれ国の成立と軌を一にする。環溝は前期までさか上り、中期までは日常的な居住・生活施設をすべて囲い込む円形が基本である。 (6)高床倉庫と貯蔵穴を問わず、倉庫域と住居域が分離する例がいくつかある。また、床面積が100m^2以上の超大型建物も無文土器時代中期には確実に存在し、集落全体を統合する機能をもつ。 (7)高床倉庫の特色は、梁行一間分が桁行一間分よりも長い。
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Research Products
(1 results)