2003 Fiscal Year Annual Research Report
データ交換のための遺跡情報構造標準化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14510440
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Research Institute for Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
森本 晋 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究官 (40220082)
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Keywords | 標準化 / 情報の流れ / 機械可読 / 情報交換 / 情報発生 |
Research Abstract |
前年度の分析において、遺跡に関する情報を公表する場合の成果物である報告書での記述のゆらぎについて検討した。報告書における表現をコンピュータを用いて解析することで、意味を把握するには、種々の困難がある。意味の内容が機械可読化できないということではなく、そもそも既存の報告書は、人とコンピュータの双方が分析を分担するという姿勢で記述がなされていないというところが根本的な問題である。 遺跡そのものは情報化される以前の状態であり、遺跡から引き出されたばかりの情報は、遺跡に対する観点そのものが強く反映している。この段階の情報はいわば内部資料であったり、当事者の思考の内のものあったりと、情報交換になじむものではない。1段階の整理を経て交換可能な情報とすることが可能である。 今年度は、情報発生・記述・整理・報告書記載・データベース作成の各過程での情報構造を検討し、標準化がどこまで追及できるのかについて分析を進めた。この中では、前年度も対象とした、文章以外に表現方法の標準化についても考察を深めている。情報の流れの各段階の把握は、調査担当機関や担当者本人でないとわからないものが大半であり、調査整理作業の中で「消えて行ってしまう」情報を少なくするにも、標準化の提示が必要だと認識した。特に情報発生時に情報の取りこぼしがないようにすることが重要であることがわかった。 ただ、遺跡情報は、表現形だけをとっても多岐にわたっており総合的な標準を提示するためにはさらなる分析が必要であると考えている。
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