2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510447
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 顕志 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10137317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友定 賢治 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80101632)
佐藤 栄作 愛媛大学, 教育学部, 教授 (80211275)
有元 光彦 山口大学, 教育学部, 助教授 (90232074)
灰谷 謙二 広島女学院大学, 文学部, 助教授 (60279065)
村上 敬一 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 助教授 (10305401)
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Keywords | しまなみ海道 / 地域方言 / 言語変化 / 言語地図 / アクセント / 音声現象 / 言語意識 |
Research Abstract |
過去2年間にわたっておこなってきた「しまなみ海道」沿線における方言の臨地調査の結果を総括し、さらに本年度に行った補充的な調査の成果を盛り込みながら、研究分担者各自が、「言語地図から見た備後南部地域-広島県内で見る-(友定賢治)」、「しまなみ架橋時代のアクセント-伯方島のアクセントを中心に-(佐藤栄作)」、「しまなみ海道地域諸方言におけるいくつかの音声現象について(有元光彦)」、「言語流通経路としてのしまなみ街道域方言-『瀬戸内海言語図巻』語彙項目地図より-(灰谷謙二)」、「芸予接境域における高校生の言語意識-瀬戸田高校・弓削高校全校方言調査より-(村上敬一)」という、研究開始当初に企図したテーマに沿う質の高い報告をまとめることができた。 しかしながら、西瀬戸自動車道の開通後、まだ数年しか経過していないこと、それがいまだ住民たちの本当の「生活道」になりきっていないことなどから、劇的な言語変化をとらえることはできなかった。「ことばの変化は、急激なようで遅々としている」というのが本研究の結論であろうか。しかし、新たな動きも随所に出はじめており、この地域の今後の継続的な研究の必要性を痛感する次第である。そのように考えれば、この時期のこの地域のことばの現状を、今回このような形で残すことができたことは大きな成果であった。 研究代表者が作成してきたデータ分析用ソフトウェアについても、本年度の研究により汎用性が高まり、全日本を視野に入れたプログラムとして完成に近づいてきた。何らかの形で学界に提供するべく準備中である。
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