2005 Fiscal Year Annual Research Report
近世前期の出版規制に対応する文芸の様相についての研究
Project/Area Number |
14510470
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷脇 理史 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10049322)
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Keywords | 仮名草子 / 浮世草子 / 軍記 / 出版取締り / 西鶴 / 日本永代蔵 / カムフラージュ / 石田軍記 |
Research Abstract |
ここのところ数年にわたり、徳川幕府による出版規制の問題を中止に、それと対応する作者や書肆の自主規制やカムフラージュのあり方を検討して気が、本年度は平成14年から17年度の科研費の最終年度に当たるため、これまでの研究を一応まとめる試みを行いつつある。が、研究報告書の提出締切りまでには、全体を新たに書き改めて欠けている都合を若干補い、既発表の論文をそのまま取り入れた形を取ってまとめざるをえない。ただし、平成18年度中には、その中での西鶴関係のもののいを一書にまとめ、『西鶴の自主規制とカムフラージュ』と題して清文堂出版より刊行の予定となっている。また、本年3月刊行予定の「西鶴・浮世草子研究」第一号には、「西鶴の自主規制とカムフラージュ---一応の総括として-」を執筆した。 一応、近世初期の軍記類の検討、元禄期の通俗軍記類の検討も、資料の収集を一応終り検討を続けているが、いまだ論文にまとめうるだけの成果を挙げていないので、今後の課題として残さざるをえない状況にあるのは遺憾である。 なお、本研究課題に直接かかわらないが、平成14年から継続して執筆してきた「『日本永代蔵』成立論の諸問題」が、17年6月発表の「下の四」で一応完結したので、その論文を中心とした一書を「『日本永代蔵』成立論談義」としてまとめ、18年4月には清文堂出版より刊行の予定となっている。(すでに校正は終了)。 また、共同研究者となっている西鶴データベースの構築もほぼ完成、その成果を生かす『新編西鶴全集』第五巻も平成18年度中には刊行予定。それに関しては「データベースの構築と西鶴研究の今後」と題する報告を執筆した(同科研費の報告書。5月刊行予定)。
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