2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510473
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
柳澤 良一 金沢学院大学, 文学部, 教授 (80123222)
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Keywords | 菅原道真 / 菅家後集 / 渤海使 / 彰考館本 |
Research Abstract |
今年度は主として『菅家後集』の注釈に力を注ぎ、昨年度から引き続いて『菅家後集』の注釈を発表した(3編、478番〜481番までの注釈)。この中で特に従来とは違った解釈を示すことができた。例えば、「不出門」という有名な詩を対句と平仄の観点から見直し、とりわけ「中懐」以下の聯の解釈に新見解を呈示した。また「旅雁」の詩での「雁が来るのか帰るのか」の解釈などに新見を発表した。いずれの詩も、自分を貶謫の憂き目にあわせた相手に対して、渾身の怒りを込めて詠んだという詩句がちりばめられていて、それぞれの語句の由来などを明らかにした。またおびただしい数の書物を典拠にして作品が作られていることなども、できるかぎりそれぞれの語句に従って明らかにした。 また、北陸古典研究会のシンポジウム(8月24日。於、魚津市天神山会館)でも、菅原道真の研究の問題点についてパネラー4人と討論し、今後の研究の方向性を探った。 石川県主催のクリエイティブライフ講座(9月6日。於、本学)では、「平安漢詩人とふるさと石川-菅原道真と渤海使の交流-」と題して講演を行った。 その他、漢詩を注釈する上で必要な、空海関連の展示の見学、また太宰府周辺の実地踏査も行った。書誌学的研究では、『菅家後集』の善本の一つである彰考館徳川美術館所蔵の『菅家後集』の閲覧調査を行い、当該本の調査は今年度で終了した。その他、国文学研究資料館・内閣文庫・国立国会図書館で研究論文の収集をした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 柳澤良一: "『菅家後集』注解稿(四)"北陸古典研究(北陸古典研究会). 18号. 41-70 (2003)
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[Publications] 柳澤良一: "『菅家後集』注解稿(五)"金沢学院大学紀要 文学・美術編(金沢学院大学). 2号. 27-50 (2004)
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[Publications] 柳澤良一: "『菅家後集』注解稿(六)"金沢大学国語国文(金沢大学国語国文学会). 29号. 7-16 (2004)