2005 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける補陀落信仰の研究-日本を中心として-
Project/Area Number |
14510476
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
神野 富一 甲南女子大学, 文学部, 教授 (10148603)
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Keywords | 補陀 / 観音 / ポタラ宮 / フダラク |
Research Abstract |
今年度は主に次の研究を行った。 1 補陀落信仰および観音信仰に関する文献を収集し、研究した。 文献の購入、コピー、また各地の大学図書館や公共図書館を利用して、補陀落信仰および観音信仰に関する文献を収集し、研究に役立てた。特に、今まで手薄だったチベット関係のものを多く収集した。 2 チベットの補陀落信仰について研究を進めた。夏期にチベットのラサを訪れ、調査・研究した。 チベットのラサにはフダラクそのものだとされるポタラ宮殿がある。またチベットは古くから現在に至るまで長い間観音信仰・補陀落信仰がさかんである。ラサにおいて、関係する宮殿や寺院を訪問し、若干の資料も入手した。帰国後、論文「チベットの補陀落信仰覚書J(未発表)をまとめた。 3 各論のレベルアップをはかるとともに、本研究の体系化を進めた。 本研究は、1、2年後に研究書、『補陀洛信仰の研究』としてまとめる予定である。目下のところ、それはこの4年間で執筆した論文を中心に、17の論文より構成される。今年度はそれら既発表・未発表の論文に加筆訂正した。うち、補陀洛信仰の伝播、および補陀洛渡海については大幅に加筆し、「日秀上人のおもかげ-その補陀洛渡海行-」を成稿、発表した。 未発表の論文が多いが、それはこの研究テーマが、未開拓の領域が多く、また学際的であるために、体系化が難しく、たえず既筆分の修正を余儀なくされたからである。しかし、2年間をかけて、ようやく体系化できたと考えている。
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Research Products
(1 results)