2005 Fiscal Year Annual Research Report
『文選』李善注を活用した文学言語の創作に関する研究
Project/Area Number |
14510489
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富永 一登 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70132636)
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Keywords | 文選 / 李善注 / 胡刻本 / 五臣注 / 六朝文学 / 昭明太子 / 六臣注 / 六朝美文 |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続き、すでにデータベース化している胡刻本『文選』・「李善注引書索引」の点検作業と六臣注『文選』のデータベース化を行い、次にそれを利用して、正文語彙とその典拠を指摘した李善の引書を抽出し、正文語彙に訓読文・日本語訳を付けて、李善注に引く典拠、五臣注との対照表を作成する作業を行った。形式は昨年と同様で次のようである。 〔巻一、班固「兩都賦」序の「或日、賦者、古詩之流也。」[李善注]毛詩序日、「詩有六義焉。二日賦」故賦爲古詩之流也。/諸引文證、皆擧先以明後、以示作者必有所祖述也。他皆類此。/〕について、 ○或曰 ある人が言う なし 向日、或者、不定之辭。巻一班固「兩都賦序」1b或日、賦者、古詩之流也。 (或ひと曰く、賦は、古詩の流れなりと) ○賦 文体の名 毛詩序曰、「詩有六義焉。二日賦。」(周南関雎序)故賦爲古詩之流也。なし 巻一班固「兩都賦序」1b賦者、古詩之流也。(賦は、古詩の流れなり) ○古詩 古代の詩 毛詩序曰、「詩有六義焉。二日賦。」(周南関雎序)故賦爲古詩之流也。なし 巻一班固「兩都賦序」1b賦者、古詩之流也。(賦は、古詩の流れなり) 17年度でこの形式の語彙データの作成を完成させた。これを使って、今後、李善注典故辞典を作成する作業にとりかかることができる。 また、本研究の『文選』李善注を活用して、文学言語が継承・創作される過程を解明しようとする目的にそって、李善注引「子虚賦」「上林賦」「西京賦」に関して資料集を作成し、これを利用した六朝文人の修辞法を検討することについても考察中である。 更に、旧鈔本全体の総合的に研究にも着手し、「上野本」の眉批にある「臣君曰」を論拠とする李善注補足説について、「唐鈔李善単注本残巻」との比較検討をもとに、私見を述べた。
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Research Products
(2 results)