2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿島 英一 九州大学, 留学生センター, 教授 (20253700)
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Keywords | 擬似漢字 / 古壮字 / 漢字の字形配置 |
Research Abstract |
前年度の作業を踏まえて、南方型の擬似漢字の古文字(ベトナムの字喃、中国の広西自治区西部の古壮字などでは数千から一万字)の文字資料の収集を継続した。ただし、前年度に猛威を振るったSARSや鳥インフルエンザの影響が部分的に残ったために、特に古布依字、古怯字、古白字、古水字などの中国の南西部(貴州省、四川省、雲南省、広西自治区北部)での現地調査などを充分には行うことができなかった。結局、資料の入手は国内が主となったが、現地調査に比較すれば幾分か非効率であることは否めなかった。 整理作業は前年度に引き続いて、ベトナムの字喃や中国の広西の古壮字について、文字単位集合の抽出や幾何学的対称型の分析につながる諸作業を進めた。また、一度は死文字と化した北方系の擬似漢字(西夏文字、契丹文字、女真文字:各々数百字から数千字の)については、前年度に生起した字形の処理法の問題点の再点検もほぼ終わり、作業を継続中である。 その結果、現在は擬似漢字である各種の方塊文字の空間的配置の分析を中心に従事しているが、それには各々が二千字前後の日本漢字(新字体)、韓国漢字(繁体字)、中国漢字(簡体字)の詳細な分析が前提になるので、併せてその作業を進めているところである。また、上記の作業は相互に密接に関連しており、逐一の個別作業としては字数の膨大なものもあり、今年度は論文形式で纏まったものは出なかった。
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