2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国に入った日本文学の翻訳のあり方-夏目漱石から村上春樹まで-
Project/Area Number |
14510495
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
渡辺 新一 中央大学, 商学部, 教授 (00138611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 二男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10107831)
池上 貞子 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (10168114)
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Keywords | 日本文学 / 翻訳 / 中国語 / 夏目漱石 / 大江健三郎 / 村上春樹 / 日本語 |
Research Abstract |
1.中国語に翻訳された日本文学の作品リストを作成するための予備的作業として、(1)五四から1949年の解放まで、(2)解放後の17年間、(3)文革時期、(4)1976年以降現在まで、のように時代区分し、各時期の先行する業績を調べた。(1)に関しては比較的詳細な資料が存在するが、その他の時期、特に(4)に関しては網羅的に収集するのはかなり困難であると思われる。しかし、リストの資料的価値は正確性とともに網羅的であることにあるので、出来うる範囲で完全なリスト作成を指向することとし、まずは『中国新文学大系(10)』などにより、(1)のリスト作成を急いでいる。 2.具体的な作品に即して日本語原文と中国語訳文を比較検討し、その作家固有のものを含む日本的なるもの(こと)がどのように中国語に訳されているかを、以下の分担で2003年夏をメドに検証することとした。なお、検証作業の過程で作家および作品は変更の可能性がある。池上貞子:高樹のぶ子作・徐静波訳『時を青く染めて』、小林二男:大岡昇平作・尚侠訳『野火』、渡辺新一:大江健三郎作・王中訳『性的人間』。 3.研究代表者が3月に復旦大学日本研究中心の徐静波氏および清華大学中文系の王中氏と会い、上述の1.に関する中国側の資料を調査し、さらに日本語と中国語の混在するデータベース化のさいに予想される諸問題について打ち合わせる。また、2.に関して今後の検討課題を詰める。
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