2004 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀の英国における文体的「洗練」への指向性と次世紀の作家に与えた影響の検証
Project/Area Number |
14510522
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇本 恭子 岡山大学, 教育学部, 助教授 (00258295)
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Keywords | 英語学 / 英語文献学 / 英語教育 / 社会文体論 / 英語史 / コーパス言語学 / sentimentalism / 18世紀 |
Research Abstract |
科学研究費の交付を受ける最後の年である平成16年度には、研究課題である「18世紀の英国における文体的「洗練」への指向性と次世紀の作家に与えた影響の検証」を具体的にまとめていった。まず始めに、性別・階級などの社会的要因によって言語の差が生じやすい「呼称表現」について、18世紀の代表的な劇であるGoldsmithのShe Stoops to Conquerや他の同時代の作品を資料に分析した。また、"ten,""twenty,""hundred,"thousand,"'million"のような数詞による誇張表現(e.g.‘a thousand millions of thanks')を、18世紀のみならず古くはMEから現代に亘る作品の電子テキストをコーパスとして用いて広範囲な調査をすることによって、その歴史的発達を辿っていった。研究課題の要である18世紀から19世紀にどのような文体的な洗練の軌跡が見受けられるかという点を明らかにするために、18世紀の作家が多用した表現を19世紀への橋渡しの役を担ったJane Austenの特徴的な表現と比較しながら、その文体的技巧の発展を指摘した。さらには、所属が教育学部という特性を生かして「英語学」と「英語教育」という2つの大きな学問領域を土台にした研究を深めることによって、今回の課題を単に「英語文献学」や「社会文体論」という専門の研究に留めるのではなく、広く教育に役立てていけるようさらなる調査・研究を押し進め、その調査から得たデータを、他の英語学専門の研究者と共著で「英語史に基づいた教育実践試案」といった内容の論文の形にまとめていった。
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Research Products
(3 results)