2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510525
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西村 秀夫 山口大学, 教育学部, 教授 (00164591)
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Keywords | 通時的コーパス / Helsinki Corpus / Corpus of Early English Correspondence / 口語的特徴 / 多重否定 / 言語変異(variation) |
Research Abstract |
本研究裸題は、英語史研究により有効な史的コーパスの構築をめざすもので、科学研究費補助金(平成10年度〜12年度)の研究課題「より有効な通時的英語コーパス構築のための基礎的研究」を継続・深化させるものである。 本年度の研究実績 本研究は「書き言葉における口語的特徴の研究」を主要なテーマとし、昨年度は、後期中英語期から初期近代英語期にかけての私的書簡集の分析を行った。本年度は、その分析を継続するとともに、調査対象を、法廷記録や戯曲などに拡大し、各ジャンル間の類似点、相違点について考察した。分析の対象とした言語現象は、1)多重否定構造、2)単純形副詞と-ly形副詞の競合である。 研究成果の一部は、日本英文学会第75回大会シンポジウム「『英語の否定構文』再考」で「多重否定の衰退再考」として発表した(2003年5月)。そこでは、テキストのジャンルによって、新しい言語形式が出現する時期にズレがあることを論じた。その発表原稿をさらに拡大修正したものを2004年度中に論文の形で発表する予定である。また、史的英語辞書の編纂・利用にあたっては、多様なジャンルの特性に配慮する必要があることを論じた、「言語変異と辞書」と題する論考も現在印刷中である。
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Research Products
(2 results)