2002 Fiscal Year Annual Research Report
エリザベス・ボウエン及びビッグハウス文化と英国作家たちとの相互的影響の研究
Project/Area Number |
14510535
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
山根木 加名子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90295767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劔持 淑 岡山大学, 文学部, 助教授 (20178164)
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Keywords | エリザベス・ボウエン / ビッグハウス / カントリーハウス / ジェイン・オースティン / ヴァージニア・ウルフ / E. M. フォースター / ヘンリー・ジェイムズ / マライア・エッジワース |
Research Abstract |
本研究の目的は、アングロ・アイリッシュ作家エリザベス・ボウエン及びビッグハウス文化と英国諸作家との相互的影響関係を総合的かつ体系的に解明することである。比較研究の対象としてヴァージニア・ウルフ、ヘンリー・ジェイムズ、E. M. フォースター、ジェイン・オースティン、マライア・エッジワースを取り上げ、文学・文化・交友関係などについて多面的視野からボウエンとこれらの作家たちの作品を比較研究し、互いにどう影響し合ったかを明らかにすることにより、(1)より広い視野のもとでボウエン文学の真髄と全体像を解明し、新たなボウエン批評を構築する、及び(2)ウルフ、ジェイムズ、フォースター研究に新しい視座を与えることを目的とする。 そこで本年度は、研究代表者・分担者によるイギリスと日本国内での文献資料の調査研究と収集を行い、これらの資料の分析に着手した。イギリスでは、大英図書館、ケンブリッジ大学図書館、BBC文書館において放送原稿等を含む貴重な文献資料、書籍を入手した。これらの資料を分析しつつ、主に「カントリーハウス」をテーマに論考した。まず研究代表者は、ボウエンと諸作家たちとの直接的つながりや影響関係を解明中である。またオースティンの『マンスフィールド・パーク』を対象に、家父長的ジェントリー文化の象徴であったカントリーハウスが女性の手により変革していくさまを論じた。研究共同者は、ジェイムズの『ある婦人の肖像』におけるガーデンコート館とイザベル・アーチャー、ウルフの『幕間』におけるポインツ・ホール邸と野外劇を見る人々という、屋敷の運命と主要登場人物の人生との関連を論考している。 来年度は「ゴシック的要素との関わり」など、ビッグハウス文化の持つさらなる特質を中心に研究していく予定である。
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Research Products
(2 results)