• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2003 Fiscal Year Annual Research Report

言語戦争-言語の「対立」的局面に注目し、政治と言語文化の関係を解明する研究

Research Project

Project/Area Number 14510539
Research InstitutionAOYAMA GAKUIN UNIVERSITY

Principal Investigator

夏目 博明  青山学院大学, 法学部, 教授 (60172574)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川口 悦  青山学院大学, 理工学部, 助教授 (30306493)
北川 依子  青山学院大学, 経済学部, 助教授 (60316883)
九頭見 一士  青山学院大学, 経営学部, 教授 (50082730)
Keywordsアイルランド / ジョイス / ボウエン
Research Abstract

当初の研究計画の基本コンセプトから外れることなく、2年間の研究を終了した。
言語は民族のアイデンティティの中枢に位置すると考えられるが、アイルランドは、母語アイルランド語が抑圧され、支配者の言語の英語を押しつけられるという歴史的経験をした。その抑圧的状況があまりに長きにわたった結果、現代アイルランドでは、公式の建て前はさておき、英語こそ母語であるという実態がある。この事態を基本的枠組みとして、ジョイス、イエイツ、ダグラス・ハイド他の言語意識を九頭見と夏目は検討した。その際、文化的民族主義と政治的民族主義のあいだに、大きな溝があることが分かった。前者の場合、アイルランド語の消滅を阻止しようとし、後者の場合、アイルランド語の消滅に比較的平然としているのである。たとえば、ハイドはアイルランド語を維持しようとし、イエイツはケルト的世界を重視する。それに対して、ダニエル・オコンネルは英語がアイルランド語に取ってかわることを容認する。北川は、イギリス内部での「言語戦争」を研究した。第二次大戦の大きな特徴のひとつとして、情報戦が重要な役割を演じたことが挙げられるが、ゲッベルス率いるナチスドイツのプロパガンダ戦略に対抗する必要に迫られ、英国政府は、当時世論調査や広告等の分野で急速に発達しつつあった社会心理の諸学を活用して、効果的なプロパガンダを産みだすため前例のないほどの資金と労力を投入した。こういったことが文学者にあたえた影響を検討した。ついで、川口は、情報の重要度という切り口で、機能主義的アプローチに取り組んだ。
以上のように、複数の視点から研究を遂行したが、結果的にはアイルランド人作家の英語意識の問題がもっとも大きく取りあげられることになった。

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi