2002 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス・ルネサンス文化における女性の主体構築の表象:女性作家・男性作家の場合
Project/Area Number |
14510542
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
楠 明子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (40104591)
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Keywords | 女性作家 / シェイクスピア / 英国ルネサンス演劇 / フィリップ・シドニー / エリザベス朝 / ジェイムズ朝 / ジェンダー / フェミニズム |
Research Abstract |
本研究では英国史上初の女性作家といえるLady Mary Wroth(1587?〜1651?)が描いた女性の主体構築と、Shakespeareによる女性の主体の表象を比較する。個人という概念が人々の間に生まれ始めていた17世紀初期のイギリス社会において、女性の主体はどのような文化的意味を付与され、その構築がいかになされていったかを、この比較から探究する。さらに、Shakespeare以外の当時の男性作家にも目を向け、イギリス・ルネサンス文化において女性の主体構築の表象が作家のジェンダーによって異なっていることの社会的・文化的意味を、後の女性作家の台頭と現代のジェンダーの問題に関わらせて考察する。 今年度はテーマ別にWrothの作品とShakespeareの作品を、ルネサンス期イギリスの社会的・文化的コンテクストのなかで比較することから始めた。6月には東京女子大学比較文化研究所(現所長は筆者)主催の公開シンポジウム『21世紀のシェイクスピア』で、7月には神戸女学院大学女性学インスティチュートでの「特別講演」として、その成果の一部を発表した。第一資料のほとんどが日本で手に入らないので、夏には渡英し、大英図書館およびWrothの実家Penshurst PlaceのArchivesで第一資料のリサーチをした。8月にはかねてから招聘されていたThe Shakespeare Institute(Stratford-upon-Avon)での第30回国際シェイクスピア学会で「基調講演」、'"Sorrow I'le Wed": Resolutions of Women's Sadness in Twelfth Night and Mary Wroth's Urania'を行なった。この講演に加筆した論文が『東京女子大学英米文学評論』Vol.49(2003年3月刊)に掲載された。 さらに本年度は、みすず書房より出版が予定されている『シェイクスピアを書きかえた女性:レイディ・メアリ・ロウスとイギリス・ルネサンス文化』の全6章の基盤となる草稿を書いた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 楠 明子: "女性の悲しみとシェイクスピア喜劇:Mary wrothの作品からみた「十二夜」の問題点"神戸女学院大学女性学インスティチュート主催講演会. 7月5日. (2002)
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[Publications] Akiko Kusunoki: "Sorrow I7le wed' : Resolunons & Women's sadness in Twelfth Night and Mary loroth's Urania"第30回国際シェイクスピア学会(Strafed, England). 8月22日. (2002)
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[Publications] Akiko Kusunoki: "A Note on Representations & Women's Sorrows in Much Ado About Nothing"第30回国際シェイクスピア学会セミナー(Strelfed, England). 8月. (2002)
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[Publications] 楠 明子: "Sorrow I7le wed' : Resolutions & Women's sadness in Twelfth Night and Mary wroth's Urania"東京女子大学英米文学評論. 49. 1-14 (2003)
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[Publications] 楠明子, 原英一共編著: "ゴルディオスの絆 : 結婚のディスコースとイギリス・ルネサンス演劇"松柏社. 302 (2002)