2002 Fiscal Year Annual Research Report
意味的類型論から見た日英語の比較:コーパスを用いた事象構造化パタンの研究
Project/Area Number |
14510544
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 曜 明治学院大学, 文学部, 教授 (40245303)
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Keywords | 移動動詞 / 類型論 / 意味論 / コーパス / 認知言語学 / 語彙化 / 前置詞 / 日英語 |
Research Abstract |
1.先行研究に関する文献目録を出版した。これは移動動詞に関する、現在出版されているもっとも網羅的な目録である。 2.本研究の出発点となっているLeonard Talmyによる移動表現の類型論に関して、それをめぐる問題点を指摘し、新たな提案を行った。それは、以下の三点にまとめられる。(1)Talmyの類型論は、学者によって三通りの異なる解釈が行われている。(2)その三つの解釈は、実際には異なる現象に注目したもので、それによる言語の分類は一致しない。(3)Talmyの類型論は、文の主要部に移動のどの意味要素が表現されるかという立場から解釈されるべきである。そのためには、用語と一部の概念の変更が必要となる。 3.コウビルド・コーパス、新潮文庫の100冊、毎日新聞テキストデータベースの三つのコーパスから、移動動詞の用法を収集した。また、日本語によるfrog storyの録音を行った。これらの資料の分析は次年度に行われる。
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[Publications] 松本 曜, ダン=アイザック=スロービン: "移動事象を表す言語表現に関する文献目録"明治学院論叢. 684. 83-158 (2002)
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[Publications] 松本 曜: "タルミーによる移動表現の類型をめぐる問題-移動の意味論I-"明治学院論叢. 747. 51-82 (2003)
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[Publications] 松本 曜: "「使役移動構文における意味的制約」『認知言語学I:事象構造』(西村義樹編)"東京大学出版会. 187--211 (2002)