2002 Fiscal Year Annual Research Report
口語英語の談話構造分析-コミュニケーション教育の観点から
Project/Area Number |
14510556
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
八木 克正 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90099630)
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Keywords | 口語英語研究 / コミュニケーションのための現代英語研究 / 英語辞書学 |
Research Abstract |
本年度は、研究推進のための基礎的条件整備の次期と位置づけた。そのために、(1)機器の更新とデータ収集の促進(2)データ蓄積場所の確保、(3)理論研究のための文献収集と文献調査、(4)データ分析のためのさまざまなツールの購入、(5)成果発表と資料収集を目的とした学会出張、(6)成果発表論文執筆の時期と位置付けてきた。 上記目標のうち、(1)(2)に関しては、今後ますます増加するデータ蓄積場所の確保のために、これまでに購入したコンピュータとその周辺機器を更新した。これまでのデータ収集の継続を続け、大きなコーパスにしてきた。その結果、約二千万語を超えるアメリカ英語の話し言葉のコーパスになった。このデータは、今後の分析のために欠かすことのできない基礎データになる。 (3)の文献収集も積極的に行った結果、コーパス言語学関連、体系機能文法関連、英文法関連、談話分析関連、会話分析関連などの今後研究に必要な文献収集が相当数揃えることができた。時間的にはまだ十分な消化はできていないが、今後活用することになる。 (5)(6)については、さまざまな学会発表や論文執筆を行ってきた。西原哲雄・南條健助(編)『英語音声学の諸相-枡矢好弘教授退職記念論文集』(「叢書英語音声学」シリーズ第1巻)に寄せた論文「初期英和辞典の発音表記研究序説-辞書学的観点から」(pp.27-45)は、本研究の直接的には関係がないが、英語コミュニケーション教育の観点からは、基礎研究の一部となるものである。「口語英語の文法特徴-LKL Corpusを使って(2)-不定代名詞から名詞への範疇移行について」『言語と文化』第6号(1-16)は、本研究のために収集してきたデータを利用した研究報告で、実際の談話の中でどのような文法範疇の変化が起こっているかを不定代名詞をとりあげて論じたものである。 この他「文末疑問詞疑問文の統語的特徴と語用論的成立条件の実証的研究」(招聘)日本英語学会第20回大会(青山学院大学.2002.11);「動詞とthat補文-その結びつきの「意外性」について」英語語法文法学会第10回大会(日本大学文理学部.2002.10);「21世紀にふさわしい英和辞典と学習英文法のために」大阪英語教育学会関西支部学習英文法研究会第15回研究会(9月例会)(大阪大学.2002.09)の学会報告を行った。また、招待講演「現代アメリカ口語英語の実態から日本の学習英文法を見直す」(第6回神戸市外国語大学英米学会.2002.11)を行った。また、雑誌『英語教育』のクエスチョンボックス欄のに隔月回答者として、英語に関する高校教員などの質問に答えてきた。小学館ランゲージワールドのホームページで「語法の鉄人」の連載を続けている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 八木克正: "初期英和辞典の発音表記研究序説-辞書学的観点から"『英語音声学の諸相-枡矢好弘教授退職記念論文集』(日本英語音声学会 叢書英語音声学第1巻). 27-45 (2002)
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[Publications] 八木克正: "口語英語の文法特徴-LKL Corpusを使って(2)-不定代名詞から名詞への範疇移行について-"言語と文化. 第6号. 1-16 (2003)