2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータコーパスを利用した自発的学習を促す英語教育の研究
Project/Area Number |
14510557
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
梅咲 敦子 立命館大学, 政策科学部, 教授 (20269963)
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Keywords | コーパス / 英語教育 / succeed at / raise an eyebrow |
Research Abstract |
これまで、コーパスの英語教育への利用は、英語を専門とする学生への英語研究指導が中心で、いわゆる一般の英語教育には直接利用されてこなかった。本年度は、British National Corpus(BNC:1億語)を簡単に検索できる新しいシステム(SCN)が本格的に稼動したため、一般の英語教育にコーパスを利用する目的と方法を考え、BNC利用を実践し、コーパス利用の普及のためにワークショップを実施した。 一般の英語教育にコーパスを導入する長期・短期目標として、(1)コーパスを辞書とともに日常的に使用して、指導者なしに英文を書けるようになること、(2)コーパスから得られる相当量の用例から、学習者自身でコロケーションやレキシカルフレーズの習得ができるようなることを考えた。 利用法として、英語を専門としない学生対象のリーディング、リスニング系科目で、教科書に出てくる英語表現について、(1)辞書情報の補完、(2)知識の確認と定着、(3)productionのために、授業でコーパスを学生に使用させた。(1)の言語項目例として、raise an eyebrowの辞書にない語義の発見(物が主語の場合の語義は英和辞典になく、教科書だけでは分かり難いがコーパスの例を加えることで「顰蹙を買う」の語義を見つけ出す。Striped shirt raised an eyebrow.)やsucceed atとinの相違(inには動名詞が後続する例が大半で、atは名詞、特にat school/college/universityのように施設における行為をさす名詞やsomethingのように目指す対象の場合に用いられる)等、(2)の例として、effect/impact/influenceとonの共起等を扱った。(3)の例として、論文のアブストラクトにおけるthis paper/studyを主語にとる構文に気づかせて、アブストラクトを英文で書かせることを試みた。 さらに、論文における主語の選択と動詞の関係についての研究も行った。 成果は次の通り口頭発表した:(1)実践報告「英語学習のための大規模コーパス利用」(英語コーパス学会第24回大会、2004.10.3)(2)「コーパスと語彙・文法教育」(大学英語教育学会関西支部第15回学習文法研究会、2005.1.29)(3)「類義語の選択-論文における動詞examine, investigate, analyse-」(関西語法文法研究会、2004.7.10)(4)ワークショップ「実際の授業で使えるコーパス」(立命館大学国際言語文化研究所/言語教育情報研究科主催、2004.10.23)。
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