2004 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける「外国語」文学の成立理由とその現状
Project/Area Number |
14510565
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
西永 良成 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00014514)
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Keywords | 亡命 / アイデンティティ / 世界化 / 外国語 / クンデラ / シオラン / ゴンブローヴィチ / プロギデス |
Research Abstract |
本研究「フランスにおける<外国語>文学の成立理由とその現状」の本年度(平成16年度)の課題は、(1)フランスへの亡命作家、とりわけシオラン、ゴンブローヴィチに関する考察を深化させるとともに、(2)現在ヨーロッパで活動する文学者たちが、いわゆる「世界化」がいよいよ進展し、またヨーロッパ連合が推進されるという時代状況の中で、いかにおのれの「アイデンティティ」を再構築し、それを創造力に結びつけようとしているのか、について詳細に観察、調査し、フランスにおける<外国語>としてのフランス語表現作家たちの諸相と実像を見極めることであった。 このうち(1)については、とくに独自のゴンブローヴィチ論を執筆する準備を終了し、この夏に脱稿したうえで、東京外国語大学総合文化研究所の研究誌「総合文化研究」の特集「<異境>と<故郷>のディアレクティック」に掲載を予定している。また(2)に関しても、この夏「<世界化>の時代における文学の存在理由」と題する国際シンポジウムを東京で開催、これまでの研究成果を発表するとともに、過去3年にわたって議論をつづけてきた研究者、とくに《ラトリエ・デュ・ロマン》編集長ラキス・プロギデス、およびトレント大学助教授の比較文学者マッシモ・リッツアンテをパネリストとして招聘し、同じ問題に関心を寄せる我が国の研究者たちとの研究交流を推進する準備を進めているところである。
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Research Products
(1 results)