2003 Fiscal Year Annual Research Report
西欧近代における観念の図像化運動、あるいはイメージ思考の研究
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14510590
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
原 研二 東京都立大学, 人文学部, 教授 (50115622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高本 教之 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40315742)
黒子 康弘 東京都立大学, 人文学部, 助手 (50305398)
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Keywords | 図像詩 / カリグラム / マニエリスム / メディア / Bildgedicht |
Research Abstract |
ルネサンス以降の観念の図像化という視点を引き続き精査した。常時行うこととして図像を収集することとデータ・ベース化することを継続した。それと平行して、百科全書の分類とは異なる分類・記号化の研究をしているライプニッツなどを通じて、データのグループ分けの方法をさまざまに試行した。図像・群集・政治の連携する個別研究として、ブレーデカンプ著『フィレンツェのサッカー』をようやく翻訳出版することができた(法政大学出版局 2003年11月)。前年度から跨って、ついに図像詩研究の連載を完遂できた。古代ギリシア・ローマの像を描く詩から現代のカリグラムに至る、文字と活字の図像化現象をできるだけ多様に追うことができた。就中、中世マニエリスムと17世紀の図像詩研究については新しいメディア論へと踏み込むことができた。これらはすべて現代のテーマに展開できるよう工夫してある。たとえば古代の呪文がコマーシャルなロゴマークに変容するモチーフ、自然をうたうのではなく絵画という表象をうたうBildgedichtの仮構性、ピクトリアルな文字配列が楽譜の書法や建築図面に通じていくテーマ等々。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(4) 類像は重畳する"現代詩手帖. 46.4. 112-120 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(5) 世界をトレースする(1)"現代詩手帖. 46・5. 166-174 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(6) 世界をトレースする(2)"現代詩手帖. 46・6. 166-174 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(7) アダブカダブラの美学"現代詩手帖. 46・7. 156-165 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(8) 魔方陣・詩のキューブ"現代詩手帖. 46・8. 160-168 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(9) 言葉の格子・秘数の絨毯"現代詩手帖. 46・9. 164-171 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(10) 受難の判じ絵・ヒエログリフ・コンプレクス"現代詩手帖. 46・10. 208-216 (2003)
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[Publications] 原 研二: "詩は絵のように(11) 文字の楽園・ヒエログリフ・コンプレクス(2)"現代詩手帖. 46・11. 152-160 (2003)
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[Publications] 黒子康弘(編共著): "Kulturwissenschaftの課題と実践 日本独文学会研究叢書(ドイツ語名:Studienreihe der Japanischen Gesellschaft fur Germanistik) 第016号 編著者:黒子康弘 執筆担当部分名称:リルケの詩における言説,および表象の機能と意味について--リルケ後期の詩 "Gong" 試論--(P.69-83 計15頁)"日本独文学会. 83 (2003)
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[Publications] 黒子康弘(共著): "Medien und Rhetorik. Grenzgange der Literaturwissenschaft 執筆担当部分名称:Zur Kritik der Reprasentation in Rilkes "Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge" und in den "Duineser Elegien" (P.187-200 計14頁)"iudicium Verlag. 226 (2003)