日本現存朝鮮古刊本の調査とその語學的・書誌學的研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14510604
• Research Institution: University of Toyama
• Principal Investigator: 藤本 幸夫 富山大学, 人文学部, 教授 (70093458)
• Keywords: 朝鮮本 / 刻手名

Research Abstract

筆者は日本現存朝鮮古刊本の調査を三十年余行っており、8〜9割の調査を終えている。その目的は朝鮮本に対する書誌学的研究と、その成果を盛り込んだ『日本現存朝鮮本総目録』(経・史・子・集部)四冊の作製にある。今年度は東京大学図書館・内閣文庫・早稲田大学図書館・駒沢大学図書館・京都大学図書館・大阪府立図書館等の未調査本600冊を看了した。
従来朝鮮本の諸目録では刊者・刊年・刊地に注意が払われず、未詳のままであったが、これらは文化史的には極めて重要な事柄である。これらを客観的に推定若くは特定する手掛かりの一が、朝鮮本の版心部に刻された刻手名である。15〜18世紀の刊行本における刻手名は従来まとめているが、今年度の調査からも多くを追加し得た。今後も継続して単行書にする予定である。
今年度は調査・研究の傍、目録用出力集部原稿の校正を行っており、来年度で完成、更来年度刊行助成を申請して刊行の予定である。